御坂山地縦走(16/05/01)


文責:大矢和樹(法3)

 

山域:御坂山地(黒岳、節刀ヶ岳)

 

メンバー:大矢和樹(法3)、藤原朋信(昭和44年卒)、中村雅明(昭和43年卒)

 

コースタイム:

 

1030三つ峠入口1135御坂峠1215黒岳(休憩15分)1255破風山1300新道峠1325中藤山1400不逢山1405大石峠(休憩10)1500節刀ヶ岳(休憩10)1545大石峠(休憩15)1700大石ペンション村1725吉原バス停

 

総行動時間 6時間55

 

 

 

感想等

 

今回の山行の行き先は、いままで足を踏み入れたことのない御坂山地であったので、非常に楽しみであった。下車駅は富士山駅であったが、千葉県に位置する自宅からは4時間以上かかり想像以上に遠いと感じた。そのため、登山開始時間は比較的遅い時間からとなった。しかしながら、日没が1830前後であるため、それでも長い時間歩くことができ、ゴールデンウィークはやはり登山にはもってこいの時期なのかもしれない。

 

今回通った御坂峠はかつて峠道として実生活の中で使われており、旧芦川村の集落の方々には頭があがらないものである。現在ではトンネルが開通して、バスも通っており比較的便がよくなったようである。御坂峠への道はいまでは登山道として使われる以外にはあまり使われてはいないため、少々荒れてはいるものの、それでもやはりかつての峠道だけあって一般的な登山道のなかではかなり歩きやすい道である。道自体は比較的小さい石が多い。また、御坂峠への直登もジグザグ徐々に高度を上げる道なので、無理なくテンポよく登ることができる。また、登る際に周りの木々に注目すると、新芽の状態が標高によって異なるので非常に面白い。御坂峠に到着する直前では、いまにもはじけだしそうな新芽を見ることができた一方、より標高の低い場所ではすでに新芽が開き、新緑が美しく五月晴れに映えていた。御坂峠には壊れかけた小屋も存在した。おそらくかつて峠越えのために使われていたのであろう。なお、現在ではとても人が入り込めるような状況にはない。

 

御坂峠から節刀ヶ岳にかけては気持ちの良い尾根歩きが楽しめた。相変わらず、非常に歩きやすく、普通の運動靴でも問題なさそうなレベルである。しかしながら一か所、小規模ではあるがロープ使用箇所もあった。僕はロープを使用して通過したが、藤原さんは使うことなく岩を乗り越えており、さすがという感じである。黒岳までの道は比較的平坦な道の個所と、かなり道が急な個所と交互に存在した。黒岳の山頂付近はなだらかであり、少し山の形態としては珍しいのかなと感じた。黒岳の山頂部に展望はなく、少々歩かないと展望台はない。今回、展望台はコースから外れるため行かなかった。しかしながら、山頂部は広いので、ゆったり休むことができた。

 

黒岳からしばらくは比較的勾配の厳しい下り坂を下った。勾配が厳しいとはいっても、普通の山では平均的な傾斜である。ある程度くだると、ほぼ平坦ともいうべき傾斜の緩い下り坂となった。ところどころ峠やピークはあるのだが、本当に山なのか疑わしいピークにも一つ一つ名前がついていて、なんだか不思議な感覚であった。途中、破風山を下ってすぐ、富士山の展望台が存在した。なんと、写真撮影台まで完備されておりずいぶんきめ細かいサービスが施されているのだなと感心した。

 

道の傾斜が緩く、歩きやすかったこともあってかなり快調に飛ばした。すると、黒岳を出て二時間もたたぬうちに大石峠に到着した。大石峠も、御坂峠同様、芝生で覆われていて、御坂山地の峠の一つの特徴なのかもしれない。ここで、楽に節刀ヶ岳に登頂するため、OBさん二人は荷物を大石峠において山頂を目指すことにしたが、僕は鍛えるためにリュックサックを持って山頂を目指した。普段から歩くスピードが速い上、荷物のないOBについていくのは結構しんどいだろうと思っていたが、比較的問題なくついていけるようになっていて自分の成長を感じられてうれしかった。ただ、持ってきている水の量が1リットルであり、最後は水が枯渇したのが少々きつかった。結果的には節刀ヶ岳と大石峠の往復は、コースタイムの6割前後であった。節刀ヶ岳にかけては小さなピークは少々存在したが、たいして体力を余分に使うほどのものではない。節刀ヶ岳の直下は少々石がごろごろしており、やや急であった。しかしながら、節刀ヶ岳からの眺めは非常によく、富士山もしっかり拝めた。なお、この日は春霞で、真冬のようにくっきりはっきり富士山が見えたというわけではないが、それでもしっかり全容を見ることはできた。時々、傘雲はかかっていたが、それもまた富士山の一風景というものであり、まさに日本といえばこの図だなとしみじみ感じられた。

 

大石峠からの下りは、御坂峠への道と同様、かなり勾配としても歩きやすい道であった。帰りは下ったすぐのバス停だと時間が余ってしまうので、少しずつ、後続のバスに追いつかれない程度に、バス停まであるいた。バス停からははっきりと富士山の雄姿を拝むことができた。

 

15:05 節刀ヶ岳にて(撮影者大矢)