木曽駒ケ岳(19/09/1-2)


 ☆天気

9/1:曇り、夕方から風強し

9/2:風雨共に強し

 

☆コースタイム 

9/11日目):国立駅0613===1107駒ヶ根駅1130===1215しらび平駅1230===1237千畳敷駅1305---1355乗越浄土---1400宝剣山荘---1415中岳---1420駒ヶ岳頂上山荘(幕営)1530---1540木曽駒ヶ岳1545---1600駒ヶ岳頂上山荘(泊)

 

9/22日目):0300起床、天候判断駒ヶ岳頂上山荘1020---1030中岳---1040宝剣山荘---1045乗越浄土---1110千畳敷駅1120---1127しらび平駅1150---1238駒ヶ根駅(解散)

 

☆行動と感想

本山行は、以前から登りたいと強く考えていた空木岳、そして中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳を目指す個人山行であり、加えて海外研修のため夏合宿に参加出来なかったという贖罪の意も込めて計画されたものである。従って本山行は自身の意向を多分に反映したものとなったが、幸い同期の1人が都合をつけて同行してくれることになった。改めて彼には感謝の意を表したい。本当にありがとう。

本来の計画は23日であった。1日目に木曽駒ヶ岳を登り、2日目に空木岳まで縦走、3日目はそのまま下る、という計画である。事前の天候判断では秋雨前線が3日とも列島にかかる予報となっていたものの、ヤマテン及びてんきとくらすでは特段注意を要すべき予報とはなっていなかった。しかし連日の雨による雨量規制のため駒ヶ岳ロープウェイが8/30に終日運休となっており、ロープウェイの運行状況には注意を払った。

 

1日目)

部室で前泊をし、613分国立発の電車に乗った。八王子で松本行きの始発電車に乗り換える。八王子始発のこの電車はアルプス方面に向かう際には一本で済み、非常に便利である。およそ3時間で岡谷に到着し、そこで飯田線に乗り換えて約1時間、駒ヶ根を目指す。駒ヶ根からはバスとロープウェイで千畳敷へ。このバスとロープウェイはシーズン中に大変混雑するが、この時期は比較的空いているようである。しかしどちらも満員に近く、臨時便が出されるほどであった。しらび平から千畳敷は標高差950m730秒で登るが、千畳敷の標高はおよそ2600mであり、順応を十分に行わない場合高山病に陥る可能性が否めない点には注意したい。曇天ではあったが、千畳敷カールは評判に違わず美しい。晴れていたならば、どれほどの景色であったのだろうか。

準備を整え、歩みを始める。最初の10分程はお花畑の中を行くが、その後は登りが続く。岩の道であり、落石しないように鉄網で覆われている部分はあるものの、覆われていない部分も多くあるため落石には注意が必要である。登山者も多く、落石による被害は計り知れない。鉄の階段が現れると登りはあと一息である。振り返れば、登ってきた道と千畳敷駅、そして駒ヶ根市街を一望のうちに収めることが出来る。登りきるとそこは稜線上に開けた乗越浄土。左には険しい山容を示す宝剣岳が見える筈であったが、生憎の霧のため間近に望むことは叶わなかった。

宝剣山荘を横目に見ながら軽い登りをこなせば中岳であり、そこから少し下ると幕営地の駒ヶ岳頂上山荘である。テント場は広く、所々に防風のための石積みがある。その石積みを利用して幕営し、休憩を取って身軽な状態で木曽駒ヶ岳へ向かう。岩がちであるが難なく登ることが出来る。山荘から約10分で中央アルプスの盟主、木曽駒ヶ岳に登頂。霧は一向に晴れず、景色も何も見えないままであった。自身が参加した山行は、ここ3回の全てにおいて天気に恵まれていない。それに対して、参加していない夏合宿は概ね天気に恵まれていたようで、運の無さをつくづく感じることとなった。

山荘に戻り夕食の支度をする。お品書きは麻婆春雨。簡単に作ることが出来、しかも美味しい。普段の食事にも取り入れてみようかと思った。夕食後は天気を確認。悪い予報ではなく、翌日の長丁場に備えて早々に就寝した。

 

2日目) 

夜から風が強まり、テントも大きく揺れた。そのため何度か起こされ、熟睡出来た訳では無かった。また雨も降り始め、暴風雨と化していた。そのため一時停滞し、天気の好転を待つこととする。しかしその後も風雨は収まらず、下山を決定した。理由としては、濁沢大峰付近が痩せ尾根となっており、風が強く岩が雨に濡れて滑り易くなっている状態で重い荷物を持ちながら通過することは危険と判断したためである。また暴風によりテントが損傷し、停滞するにしてもテントの更なる損傷を招くことになると考えたためでもある。

決定後はそそくさと撤収し、下山の途についた。視界が効かない中ではあったが迷うこと無く千畳敷へ下り、ロープウェイに乗った。ロープウェイに乗って少し下ると霧が消え、下界は晴れ間も見えるくらいの天気であった。空木岳登頂を果たせなかった悔しさと、天候判断の難しさを感じながら、山を後にした。

 

先述の通り、今回は天候判断の難しさをひしと感じた山行であった。登山は安全第一であるが、だからと言って安易に撤退や中止という判断を下せるものでもない。その中で最適と思われる行動を選ぶことは難しい。また、予報と現地の天気との差異をどう捉えるか、という問題にも直面した。予報自体は格段に悪い訳では無かったが、実際にはかなりの風雨であった。どちらの情報を信用して判断するか、非常に迷った。妥当な判断を下すためには経験が必要であるとすれば、自身にはまだまだそれが足りないと思う。山に登る回数も勿論であるが、毎回の山行の中で主体的に考えていく習慣をつけることは、経験を積むという点において重要であると思われる。

このような課題に加えて、空木岳を断念した悔しさもある。また来年、ピークを踏むことが出来れば、と思う。

千畳敷より千畳敷カールを望む(9/1 13:13 撮影=内山)

乗越浄土手前より千畳敷駅方面を望む(9/1 13:40 撮影=内山)