●概要
2014年5月18日(日)、今回は生藤山を主に合計6つの山をめぐるとても長い山行になった。歩く距離もとても長かったが、山行時間も長く合計9時間にも及ぶ山行であった。さらに、下山後は反省会場までのバスがないというようなこともあり、多くの意味で山登りの厳しさを教えられた気がする。そして今回は、山行の前日が新緑の宴だったということもあったためか、OBの方も多く参加してくださり、より一層親睦を深めることができた。
●参加者
部員:渡部顕示(商学部3年)、太田貴之(商学部3年)、西山祥紀(経済学部3年)、上茂衡(法学部2年)、
中野広美(商学部2年)、大谷彩子(商学部2年)、岡田尭之(経済学部2年)、辰川貴大(法学部2年)
OB:本間浩(昭40)、小島和人(昭40)、小野肇(昭40)、中村雅明(昭43)、藤原朋信(昭44)
●山行記録
JR藤野駅出発(9:25)-小淵山(10:10)-鷹取山(10:55)-三国山(13:15)-生藤山(13:20)-市道山(15:40)-臼杵山(17:00)-下山完了(18:30)
●2014年(日)5月18日 快晴
前回の新歓山行に引き続きこの日も雲一つない気持ちの良い晴天だった。今だからこそ言える話だが、この日の私の体調はあまり優れなかった。というのも、山行の前日の17日は新緑の宴があった。この新緑の宴は私にとっては初めての参加であり、初めてお会いするOBさんもいらっしゃって、より一層OBさんの方々と親睦を深めることができた。そして改めて一橋大学山岳部の世代を超えた上下のつながりの強さというものを感じることができたし、これこそがこの山岳部の良さであると思った。そしてこの日は新緑の宴の後、部員数人で2次会をした。そのため結局その日は寝るのが遅くなり、山行当日を寝不足の状態で迎えてしまったのだ。多いに反省である。
山行当日。この日は駅から歩く本隊と途中までバスで行く班の2班に分かれて行く計画で、部員も何人かはバス班で行く予定であったが、いきなり問題発生。中野が集合場所を高尾駅と勘違いし、乗る予定であった藤野駅発のバスの時間に間に合わなくなってしまった。結局、部員は全員本隊になり、小野さんと小島さんはバスで向かった。
山行序盤はあまり急な坂もなく、気持ちの良い春の日差しと風を感じ、おしゃべりも交えながら登って行った。実は今回、渡部さんと山登りをするのは初めてで、お互いの趣味の話などをしながら登ったのだが、筋トレの話で盛り上がったのを特に覚えている。
鷹取山の頂上で少し休憩したのだが、そこにはピンク色のかわいい花が咲いていて、思わず写真を撮ってしまった。そこからは一度山を下り、舗装された道をしばらく歩いた。そのあたりの道路は比較的広く、交通量も少ないためか、バイクのツーリングに来ている人が多くいて、我々の横を颯爽とバイクで通り去って行った。そして、生藤山の山道の前のベンチで昼食をとった。昼食を全員が食べ終わると出発し、後半へと入って行った。
しかしこの後半がとても過酷で辛いものであった。今回の山行、予定では6時間コースと聞かされていたので、我々は勝手に16時ころには下山できるだろうと思っていたのだが、実際にはそんなに甘いものではなかった。生藤山~市道山あたりからだんだんと足に疲労がたまり始め、市道山~臼杵山の間では疲労がピークに達した。しかし、我々の思いに反し、急な坂が5か所ぐらいあり、体力と気力を奪っていった。その途中でバス組の小島さん・小野さんと合流し、臼杵山に何とか到着した。臼杵山頂上では皆足を投げ出し、休憩をしたのだが、そこから見える景色はとても見事なもので、一瞬身体の疲労を忘れるほどだった。情けない話だが、我々部員は持ってきた飲み物を全て飲みきってしまっていて、頂上では小島さんに飲み物を分けて頂き、本当に救われた。
そこからはひたすら下り坂だったのだが、これまた急な斜面が多く、また、小石が多くあったので大変すべりやすく、尻餅をつく場面が多くあった。途中、駅の方面へ歩いて行くコースとバス停へと向かうコースに分かれたのだが、部員はもちろん全員楽なバス停コースを選択した。しかしそんな中、ただ一人藤原さんだけは駅へと歩くコースを選択し、疲れを微塵も感じていないような軽やかな足取りで、一人颯爽と下山を開始された時は部員全員唖然とした様子で鉄人藤原さんのすごさを改めて感じた。
そしてなんとか全員無事誰一人脱落することなく下山したのだが、そこからがまた大変であった。なんと乗るはずのバスが目の前で行ってしまい次のバスまで1時間待たなければいけなくなってしまったのだ。すでにあたりは日が沈み、暗くなりかけていたのだが、我々は待つのをあきらめ反省会場まで歩くことにした。足の疲労は限界に達し、まわりも暗くなっていたので、無事帰れるか少し不安になっていた。しかし途中で遠すぎてさすがに無理だということになりタクシーを呼び反省会場へと向かい、今回の山行を終えた。
●山行を振り返って
今回の山行では藤原さんが掲げたトレーニングの目標である「身体と精神2つの強化」が意味するように、身体だけでなく途中でくじけない強い精神を鍛えることができたように思える。また、今回は男子部員にとっても大変な山行であったのに、見事に最後まで登り切った女子部員2人には感服した。おそらく今後もこのぐらいの山行は多くあるだろう。今後もそれらのきついトレーニングを積み重ねることによって心身ともに鍛えていきたいと考えている。
●参加者感想
○渡部顕示(商学部3年)
山岳部員となって2回目の山行となった5月18日。計9時間の山行はもちろん人生初の体験であったために体力的には追い込まれた部分があったが、各山の山頂のその眺望から歩く活力を貰った。山行を終えた時の何物にも替え難い達成感・爽快感はやはり最高だ。知識と技術を身に付けて今後に繋げたい。
○太田貴之(商学部3年)
生藤山が今回の中で一番高い山でしたが、疲労もあって市道山から白杵山にかけてのルートが一番大変でした。そのため、白杵山に到達した後、景色を楽しむことは出来なくて残念でした。これから体を鍛えて、もっと余裕をもって、山に登れるようになりたいです。そして、そのときは、景色を楽しみたいと思います。ただ、山の中は思った以上に涼しくて、その気持ちよさを味わうことは出来たと思います。また、体力に余裕のある最初に、話しすぎないようにして、体力を温存することも大事だということもわかりました。
○西山祥紀(経済学部3年)
私が山岳部の練習に参加するのはこれが二回目であり、一回目に参加した山行は約4時間コースと非常に軽快なものだったので、今回の藤野山コースもあまりたいしたことはないだろうと思い込んでいましたが、朝の9時に駅を出発し、夕方の6時ころにやっと下山を果たしたように、想像以上に過酷な山行でした。しかし長時間の登山を終え、人家の灯りを目にした時の達成感は深く心に刻まれ、ふもとの料亭にてOBの方々がごちそうしてくださった、冷えたビールの味は格別でした。一方で、翌日になっても足の筋肉痛に悩まされることとなり、自分の練習不足を感じました。
○上茂衡(法学部2年)
今回の山行はおよそ9時間に及び、途中で疲れ果ててしまいました。そんな時でもOBの方々が元気そうに登っているのを見て、感服すると同時に若いのに負けてられないとも思いました。これからもっと山に登って鍛えていきたいと思います。
○大谷彩子(商学部2年)
三回登山に参加させていただきましたが、今回の山行が一番辛かったです。上り下りが急かつ歩いた時間も今までで一番長かったので、最後の方は足の関節という関節が痛くなり、大げさですが、いつ人間界に戻れるんだ…と不安になりました。けれど、歩かなければ戻れないので必死に右足と左足を交互に動かしました。最後の山路を下ってコンクリート道路が見えた時はとても嬉しかったです。先ほどから繰り返している通り本当に辛かったのですが、登り終わった後の達成感は言葉にできないほどのものでした。OBの方々がすいすい登って行く光景を見て、まだまだ頑張らねばとおもいました。これからも色々な山にできる限り登りたいです。
○岡田尭之(経済学部2年)
私にとっては初めての山岳部としての活動だったので刺激になることがたくさんあり充実した一日にすることができました。今まで登った山といえば高尾山くらいしかなかったし、9時間も歩き続けたこともなかったので非常に辛かったですが、その分終わった後の達成感が強く、歩ききれたことは本当に良かったと思いました。私が山岳部に入部した理由として、辛いことを乗り越えたときの達成感を味わいたいというのが第一にあったので、早速味わうことができ満足です。これからの活動でも、登りきったときの達成感、充実感を味わうために心身ともに鍛えて色々な山に挑戦していきたいと思います。
○中野広美(商学部2年)
9時間も山にいた経験は人生初でした。前半はまだ周りの景色や会話を楽しむ余裕がありましたが後半になると疲労がたまり何度も心が折れかけ、OBさんの支えや仲間がいなかったら倒れこんでいたと思います。今回の登山によって精神、体力共にすごく鍛えられたと思います。自信もたくさん付きました。辛い反面、登山によって得られるものはとても大きいと感じることができたのでまた挑戦したいです。
(法学部2年 辰川貴大)
5月18日 17:10
臼杵山頂にて(カメラ:小野、撮影:中村)
(後列左から)藤原、渡部、上
(中列左から)小野、小島、岡田、大谷、中野、辰川
(前列左から)西山、太田
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