●参加メンバー | |||
a. 学生 | |||
黄勉(修2年)、太田 貴之(商4年)、有田 麻子(社3年)、大谷 彩子(商3年)、辰川 貴大(法3年)、内海 拓人(法2年)、大矢 和樹(法2年)、曲 文深(社2年)、高謙=チー(社1年)、工藤 京平(経1年)、坂本 遼(法1年) | |||
b. OB | |||
中村 雅明(昭和43年卒)、藤原 朋信(昭和44年卒) | |||
●コース・タイム | |||
1日目(編笠山班{メンバー;中村、太田、辰川、内海、大矢}) | |||
10:35小淵沢駅→(タクシー)→11:00観音平着、11:10出発→11:40雲海(1880m)→12:10押手川→(途中で昼食20分)→13:30編笠山山頂(2523m)→13:50山頂出発→15:00雲海→15:20観音平→16:40甲斐小泉駅着、16:47甲斐小泉出発→(小海線)→17:20信濃川上駅着、その後ナナーズ川上店で食材購入後、廻り目平へ(タクシー) | |||
1日目(飯盛山班{メンバー;藤原、黄、有田、大谷、曲、工藤、高謙、坂本}) | |||
清里駅13:10→飯盛山14:30→下山15:45 | |||
2日目 | |||
9:00野辺山駅→9:35JR鉄道最高地点→12:25小天狗(2178m)→(昼食20分)→13:40大天狗到着、13:50出発→14:40小天狗→15:40美しの森→16:25清里駅 |
・概況、反省、感想(文:大矢和樹)
今回の山行は、OB主催のFN短大の総決算に位置づけられる山行になった。これまで、山岳部は人数が少なく経験も少なかったため、OBの力なくしては到底成り立つものではなかった。僕自身、昨年の4月に入部して以来、数多くの山行に参加し、この一年で、特に体力と歩行速度という面においてかなり成長できたと思っている。今回は、特に一日目の編笠山が時間的にかなりきつい設定にあった。下山地点の甲斐小泉駅を通る小海線は2時間に一本しかなく、さらに信濃川上駅降りてから買い出しもあったので、なんとしても間に合わなくてはならなかった。
僕自身、家が千葉県にあるために、一日目の起床時刻は4時ころとなった。その甲斐あって、高尾駅には7時半過ぎには到着でき、体力温存のための甲府までの座席を確保できた。中央線に揺られながら、車窓の景色を眺めてみると、遠くに残雪が残る富士山が見え、天気のよさを改めて実感した。甲府駅で乗り換えてからは、いよいよ左手にやはり残雪がまだ少し残っている南アルプスの山々が見え始め、一気に気持ちも高まった。小淵沢駅に近づくと、八ヶ岳の雄姿もはっきりと目で捉えられるようになったが、山頂付近に黒っぽい雲が見え、やや天気の面で不安にもなったが、なんといっても約二か月ぶりのご対面である。胸の鼓動の高まりを覚えた。
小淵沢駅から観音平まではジャンボタクシーで向かった。観音平には、すでにおびただしい数の車があった。改めて、八ヶ岳の人気ぶりを象徴する光景であった。標高1500メートルの高地にありながら、観音平は比較的暑かった。しっかり水分を補給して歩を進めた。
観音平を出て間もなくは、背丈の低い笹が一面に生えている中、ゆるやかな傾斜を登った。季節からすれば、おそらくレンゲツツジであろう。ところどころに、オレンジ色の花が顔を出していたのが目立った。薄緑色の背景にオレンジ色の花はかなり映えていた。時間のことが頭にあってか、最初のポイント、雲海にはかなり速いペースで到着した。
雲海から先は少しずつ、石の量が増えてきた。標高が上がるにつれて、すこしずつそのサイズは大きくなってきたように思う。傾斜も、それまでに比べればやや急になってきた。しかしながら、ペースとしてはかなり良いペースではあった。だんだん腹が減ってきたので、押手川から少し上がったところで昼食をとることにした。しかしながら、このタイミングが大変大きな誤算となってしまったのである。
昼飯を食べ終わり、歩き始めるとなかなか奇妙なことに気付いた。岩と岩の間に手を近づけると、そこから冷気が出ていたのである。よくみると、その穴の中には雪があった。穴の中の空気が雪で冷やされて、それが噴出していたのであった。徐々に、石というよりはごつごつした岩が多くなり、一気に急になった。急になり始めて間もなく、視界が開けた。目の前には南アルプスの山々、眼下には八ヶ岳山麓の森がはっきりと見え、山頂はいかにきれいなのかと思わず先走ってしまいそうにもなった。しかし、ここからが試練であった。先行するツアー客の集団がきわめてゆっくりのペースなうえ、道を譲ろうとしなかったのである。ただし、ここで文句を言っていても始まらないので、ここはゆっくり登って下山に向けて体力を温存しようと自分に言い聞かせた。
13時半。やっと山頂に到着した。山頂は石がゴロゴロとしており、歩きやすくはなかったが、景色は一級品であった。南を見れば、目の前に南アルプスの山々がかなりはっきりみることができた。すこし東側に目を移せば、遠くにかすみつつも富士山の雄姿をしっかり確認することができた。感動はこれに尽きなかった。山頂の北側に行ってみれば、そこには遠くからしか見たことがなかった南八ヶ岳の山々が、とても接近して眼前にそびえたつ姿を見て非常に感動した。このとき、赤岳はほんとに少し赤っぽい色をしていることを知った。そのほか、北アルプス、蓼科山、霧ケ峰、などなど360度どの方向を見ても圧巻の景色であった。
さて、頂上で少々休んだら、列車の時間もあるので下山を開始した。元来下りはあまり得意ではなかったのだが、大方予想していた通り圧倒的に僕が遅れた。岩の大きさが大きいところではなかなかスピードがつかず、苦心することになった。それでも、目標タイム通り、観音台まで下ることができた。
観音台から林道に出るまでの道はゆるく傾斜した道であり、非常に歩きやすかったが、ここからかなり本気のペースになった。途中からアスファルトの道になり、さらにペースを上げた結果、ぎりぎり甲斐小泉駅に到着できた。一瞬、駅と間違えて、となりの美術館に入りそうになったが、なんとか電車には間に合わすことができた。
信濃川上駅までは、のどかな小海線に揺られて、この夕方に信州にいられるという非日常をかみしめた。その後、タクシーで買い物をしつつ、藤原さんの別荘へ向かった。雲はでていたが、天気が崩れないでほしいと願うばかりであった。
夕食は飯盛山班が作成し、みなで鍋や焼き肉をつついた。ありきたりではあるが、大人数で食べる食事はうまい。かなりその日歩いたこともあって、食欲はつきることがなかった。
5月30日 12:54(撮影:大矢)
押手川源流~編笠山
(中央は辰川)
5月30日 13:05(撮影:大矢)
押手川源流~編笠山
(中央は内海)
5月30日 13:33(撮影:大矢)
編笠山山頂からの展望
(右から蓼科山、霧ヶ峰、
諏訪湖方面を望む)
5月30日 13:40(撮影:中村)
編笠山山頂にて学生全員で
(左から辰川、内海、太田、大矢)
(背景は右から権現岳、赤岳、阿弥陀岳)
5月30日 13:46(撮影:大矢)
編笠山山頂から
南アルプスを望む
5月30日 19:57(撮影:中村)
藤原山荘で夕食
二日目
二日目の朝は朝食当番であったために、やや早めの6時に起床した。外を見た感じでは、まったく天気の心配をする必要性はなさそうであった。
山荘を後にした8時半には、5月の信州とは思えないほどに暖かった。タクシーに乗っていると、八ヶ岳が雲にすっぽり覆われていて、やや天気が心配になった。まだ観光客の姿も見られない野辺山駅からは、まず線路沿いをひたすらJR最高地点まで歩いた。ここを歩いているときはやや曇っており、風もあって一枚はおらないと寒いくらいであったが、この涼しさこそ野辺山の高原の本来の涼しさなのだろうと思ったJR最高地点で少々休憩した後、八ヶ岳牧場内の林道をひたすらに歩いた。林道は砂利道で、意外にもここで少々疲れてしまった。しばらく進むと、堅牢な鹿対策用の防護柵があらわれた。この防護柵を通ると、やっと山らしい、土の道があらわれた。ここからしばらくは、低背丈の笹地であり、傾斜もさほどきつくはなかった。ときより吹き抜けていく風が非常に心地よかった。少し歩くと、樹林帯に入っていった。どうやら、この道はメジャールートではないらしく、途中からは笹の背丈もやや高くなって、道が埋没してしまっており、非常にわかりにくかった。
ひたすらに上り続け、およそ1900mを過ぎたあたりから、所々、開けたところが出てきた。しかし同時に、やや急なところも出てきた。そんな感じでひたすらに登る我々を、冷涼な八ヶ岳の風が励ましてくれた。
長いこと登ったなあと思ったら、小天狗に到着した。ここで先行していたOBさんのグループに会うことができ、小天狗で昼食をとり、集合写真も撮った。てっきり、時間的に、今日は小天狗までかなと思っていたら、案外大天狗まで行けることになり、歓喜した。小天狗から少々歩くと目の前に、赤岳が燦然と眼前にそびえたっていた。やはり、美しい容貌をした山だなと感じた。大天狗までの道のりは、途中まではかなり緩やかで、歩きやすい、気持ちの良い尾根歩きだと思われた。道端には、雪が少々残ってるところも見受けられた。しかし、途中から急登が始まった。比較的疲れていたので、少々厳しかったが、大天狗に到着したときにはかなりの達成感であった。大天狗から赤岳まではおよそ100分。しかしながら、八ヶ岳屈指の難コースということで、ここからの登頂は極めて厳しいであろう。しかしながら、メジャールートからでもよいから、是非赤岳に上ってみたいという意欲がわいた。
さて、ここからは下りである。下りも、みんなペースが順調であった。小天狗からは、野辺山ではなく、清里方面へ下山した。概して、歩きやすい道であった。かなり下ってきて、もうまもなく一般道にでるところまできたときのことだった。左のがけから「ガサガサ」と物音がして、見たら、なんと天然記念物のニホンカモシカであった。自身、以前に八ヶ岳に来た時にニホンジカに遭遇したことはあったが、天然記念物に遭遇したしたのは初めてであった。
美しの森でOBの方々から、無事FN短大卒業を告げていただき、別れた後は渾身のペースで清里駅に向かった。山から下った後のアイスはなかなか最高だった。そして、小海線に乗車し、小淵沢駅まで向かった。家の位置の問題で、僕と坂本以外は、ここから各駅停車で帰宅するということで、小淵沢駅でお別れとなった。僕は30分ほど余裕があったので、ホームから今一度、南アルプスと八ヶ岳の山々も目に焼き付けた。そして、ホームに滑り込んできたあずさに乗車して、小淵沢をあとにした。
素晴らしい山行であったが、課題も見えた。一番には、体力の面である。二日目の最後はさすがにペースが落ちてきてしまった。これは、これから長めの泊りの山行をやるうえで、ちょっとずつ解決していかなければならない問題である。
とはいえ、何と言っても天気に恵まれたのは大きい。天気には、感謝したいところである。
5月31日 8:23(撮影:中村)
藤原山荘前にて
(左から)坂本、内海、太田、高、辰川、大矢、有田
黄、大谷、工藤、曲
5月31日 11:08(撮影:大矢)
県界尾根登山口~防火線の頭
(前から辰川、内海、太田)
5月31日 12:04(撮影:中村)
防火線の頭~小天狗
(前から)有田、坂本、曲
5月31日 12:35(撮影:大矢)小天狗にて
(後列左から)内海、辰川、大谷、坂本
(前列左から)黄、高、太田、曲、有田、大矢、工藤
5月31日 12:56(撮影:大矢)
小天狗先にて(大天狗めざして金子)
正面は赤岳
・飯盛山班(文:工藤 京平)
自分史上二回目の登山で、初めての合宿で心をわくわくさせながら電車に揺られ、清里駅に到着!合宿2日前にぎりぎり買った登山靴やらバックパックやらを身に着け、いざ登山開始です。当日は幸か不幸か天気に恵まれ、日差しが強く、暑いのなんの。開始早々汗だくです。
厚着しすぎたな、とかぶつぶつ思いつつ歩いていましたが、途中からは木々の陰に入り少し涼しかったです。静かな山の中に、鳥の鳴き声、みんなの歩く足音が響き、さらにはなにか懐かしさを覚える花々を見て、やっぱり山はいいなと感じました。初めはこのような調子で登っていましたが、途中からは雑念がなくなるほどきつくなってきました。あまりにもしんどく、前の日の出山の時はそうでもなかったのにな…体力が落ちたのかもと思いつつ、やっとのことで休憩。しんどいのは自分だけだと思っていたのですが、他のメンバーも割と疲れているように見えました。というのは、OBの藤原さん曰く、先頭のペースが速く、初めから飛ばし過ぎたとのこと。さらにはこの暑さも重なって体力が消耗されたとのこと。
先頭を歩く人は後ろから追われている気になるためどうしても無意識にペースが速くなってしまうと聞いてなるほどと納得させられました。このことを心にとどめ、登山再開。飯盛山まで残り1キロの所からは歩く地面が湿った土ではなく、木くずが混じってかなり乾燥した地面に変わりました。周りの木々も少なく、見晴らしが徐々によくなってきました。前方には飯盛山の山頂が見え、あとひと踏ん張りだと気を入れ直しました。しかし見晴らしがよくなったとしても山頂から見える景色を楽しむため、途中で後ろなんて振り向きません。ただひたすら前を見て登りました。そして登頂。そこから見える楽しみで仕方なかった景色は、絶景でした。周りに障害物がないため180度景色を堪能することができたのです。
山頂からの景色に満足したら、下山開始です。下山道は急なところも少なくそれほど苦労することなく歩くことができました。これで今日の登山は終わりだと思いつつ、早く明日になってまた山に登りたいなと心を燃やすのでした。
(文責 大矢和樹(法学部2年))
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