●参加者(学年は山行時)
高橋直道(3年)太田貴之(3年)、西山祥紀(3年)、上茂衡(2年)、辰川貴大(2年)、
大矢和樹(1年)
前神直樹(昭和51年卒):統括) 高崎俊平(昭和41年卒:BC訪問)
●コースタイムと行動
3月21日 晴れ時々曇り
10:35 茅野発バス(乗客多数の為合計3台がでる。3台目に乗車)
11:20 渋の湯着
12:00 渋の湯発
14:20 黒百合ヒュッテテント場着
テント場には多数のテントが張られており、定められた区画内で張り場所を見つける
のに苦労する。6人テンと4人テンを隣り合わせで晴れる場所を見つけ、皆でピッケル
で雪を削って整地を行う。
アイゼン訓練も当初予定していたが、テントの設置に時間を要したためこれはスキップ。
3月22日 曇りのち晴れ、
06:20 テント場発 中山峠経由東天狗を目指す。
07:30 大凡 1800m地点(おそらく頂上まであと20分くらいの地点)学生のアイ
ゼンの不調があり、この時点で引き返す。トラブルが起きた場合に対処でき
なくなることを考えたため。
08:20 黒百合ヒュッテテント場着
テント撤収時に高崎(俊)さんが来て下さる。前日一緒いただく予定であった
が、アイゼンが不調であったため、前日は渋の湯に泊まられ、アイゼンを直
された上で22日上がってきていただく。
再度天狗岳へとのお誘いもありましたが、行くときには参加人員全員と思い、
今回は渋の湯に下ることにした。
08:50 テント場発
10:15 渋の湯着 バス/JRにて帰京
●総括 ****** 2015年3月23日HUHACメールより抜粋 ******
学生6人と21~22日、黒百合平で幕営、天狗岳に行きました。
学生の一人のアイゼンの調子が悪く、天狗岳頂上のおそらく20分位の地点で引き返しました。天候ももう一つだったものの登って登れないことはなかったのですが、アイゼンの不調で思わぬ事故にもなりかねないので大事を取って引き返しました。
もう一つの目的であった雪の中の幕営は効果あったと思います。
まだテント泊りそのものが慣れておらず、まして雪の中に寝るということに対して皆多少の不安はあったようですが、やってみればこんな物かと思ったと思います。(かなり寒い思いをした学生もいましたが)
今までのように出る前にいろいろ面倒をみるのではなく、ほとんど学生のお手並み拝
見という形にしましたが、出る前に一度テントを張ってみるとか、夕食の準備のためにペ
ミカンを用意してきたのは感心しました。食事の準備全体もちゃんとしていました。
冬のテントの中で一番怖いのは炊事中のやけどとかいろいろ言いましたがこれからテ
ントでの整理整頓とか、慣れてくれば結構やれると思った次第です。
4月入学予定の一年生ですでに山岳部入部を考えている人間がいるらしいとかやっと
部として始まったかなと思います。
<高崎様>
アイゼンが不調だったにも関わらず22日黒百合ヒュッテまで上がってきていただきありがとうございました。天狗にはちゃんと登られたのですね。
学生を頂上まで上げることはできませんでしたが、ゆっくりでも着実に進めてゆけば何とかなると思います。
■学生、前神さんの感想 (学生の感想は学年順)
●4月4日 山行報告の件 高橋 直道(部長:法学部3年)
雪山でのテント合宿は初めてということで、参加者の一部は前日に準備を行った。
マットや雪山用十字ペグの購入、テントなど装備の状態の確認をしたがペミカンの準備
を太田一人に任せてしまうことになり、あまり首尾よく行えなかった。この点は、今後
泊りがけの山行を行う上でまず一つ目の反省点である。(また今回ならば期間と気温の
点から、ペミカンを用意せずとも食材は冷凍で大丈夫という指摘を前神さんから頂い
た。)
当日は渋の湯到着後、各自昼食と準備を済ませ出発。ヒュッテまでアイゼンは着用し
なかったが問題なかった。2時間ほど登り到着。荷物は70ℓのザックいっぱいだったが
疲れはさほど感じず、他の部員も消耗した様子はなかった。
到着後ほどなくしてピッケルで雪を均し、テントを張る。十字ペグを使うにはひもを
用意する必要があった。他にも、テントマットは全員が入ったあとで敷かなければ濡れ
てしまうことなど、実践して初めてわかることばかりであった。
炊事は雪を融かすことから始めた。調理の際にでる水分の処理に気を使わなくてはな
らない。お盆や布・紙は次回以降用意が必要である。
天狗岳は登頂こそできなかったが、岩と雪の景色を味わえた。人も多く、装備さえ万
全であれば危険を感じることはなかった。また挑戦したいという声もあったので再度訪
れることになるだろう。
前神さんに2日間ご指導頂き大変感謝しております。やきもきすることばかりだった
と思いますが、今後の山岳部にとって重要な経験になりました。本当にありがとうござ
いました。
●3月31日 北八ヶ岳感想文 太田 貴之(副部長:商学部3年)
今回の山行は初めての体験が多く、とても新鮮でした。
まず、雪山でのテント泊が未経験でした。寒かったですが、耐えられないものではなかっ
たです。マットがあったおかけで、底冷えを防ぐことができたからです。ただ、外側のシ
ェラフが濡れたため、そこだけはより寒かったです。また、重量がそれによって増した気
がします。やはり、シェラフカバーは必要だと思います。
次に、森林限界を超えた雪山が新鮮でした。曇取山では山頂まで樹木が繁っていたので、
今回の景色は印象的でした。このような環境のため、風がよく吹いていました。曇取山で
は顔が寒さにより痛かったため、目出し帽を持参していたので、今回は大丈夫でした。
来年はもっと八ヶ岳を中心に雪山に登って見たいと思います。
●3月25日 北八ヶ岳の感想 西山 祥紀(副部長:経済学部3年)
二日間の合宿を終えて
3月21日8:22、私達山岳部一行は立川駅にて特急スーパーあずさに搭乗し、茅野へ向
かった。茅野駅からはバスに乗車し、渋の湯駐車場へ向かった。両車内ではともに、私達
のように登山の装備に身を包んでいる乗客もおり、これから待ち受ける天狗岳への期待
感を高揚させるのに十分たる光景であった。ただ、幕営の準備にあたり荷物が非常にかさ
ばってしまい、車内での移動は非常に難儀なものであった。
駐車場から幕営地の黒百合ヒュッテに向けて登りを開始する。晴天に恵まれ、道中は山
紫水明の相を呈していた。前述のとおり荷物が非常に重かったので、疲労感に苛まれてい
る身にとっては目の保養となった。
幕営地に到着し、テントおよび食事の準備に着手する。テントの建て方は合宿の前日、
他部員と事前に練習していたので、あまり労せず建てることができた。食事はコッヘルお
よびバーナーを用いて炊飯を行い、キムチスープを作った。調理器具の使い方や炊飯につ
いては、前神さんからノウハウを教えていただいた。
食事を終え、就寝の体勢に入る。氷点下の環境であったが、就寝直前までバーナーでテ
ント内を温めていたため、寒さで寝付けないということはなかった。
翌日は天狗岳の中腹までアイゼンを装備して向かう。その際、急斜面の雪面におけるア
イゼンの適切な用い方を前神さんから教わり、実践することができた。
今回の合宿では、食事品・装備品の準備・実践を主体的に部員一同で行った一方で、私
達に欠けているノウハウは前神さんからフォローをいただき、とても有機的な学習とな
った。これからもたくさんの登山を通じて、楽しみながらノウハウを磨いていきたいと思
う。
●4月3日 北八ヶ岳合宿感想 上 茂衡(法学部2年)
今回は学生主体で行う初めての雪山でのテント泊であった。
食事はどうするのか、何が必要か、部長・副部長が中心となり準備を進めた。結局、ギリ
ギリまでバタバタしてしまったが、自分たちなりに考えた装備で出発した。キャンプ地で
前神さんに色々と教わる中で反省点や改善点も多く見つかり、とてもいい勉強になった。
部員の装備不良で頂上までは行けず残念であった。それでも皆で食事を作って食べた
り、星空を眺めたりテント泊の楽しさというものを実感できた。1泊という短いものでは
あったがとても有意義な山行となった。この経験をこれからの活動に生かしていこうと
思う。
●4月5日 北八ヶ岳山行を振り返って 辰川 貴大(法学部2年)
今回の3月21~22日の北八ヶ岳の合宿は私にとっては人生初の雪上でのテント泊
であり、今後の雪山山行に向けて多くの重要なことを、身をもって学ぶことができた。ま
ず、雪の上で寝るということの厳しさが自分の想像以上であり、明らかに準備不足だった
ということだ。山行前は、テントの中でマットを2枚敷いて、シュラフにくるまれば快適
に寝られるだろうと甘く考えていたが、実際寝てみるとあまりの寒さにとても浅い眠り
となってしまった。しかも自分は間違えて夏用のシュラフを持って行ってしまったので、
余計に寒く、足先が凍傷するのではとの恐怖感も経験した。また、初めてアイゼンを装着
しての山行であったが、その装着にずいぶんと手間取ってしまったし、部員の一人もアイ
ゼンの不調があるなど、アイゼンの準備不足を感じた。
しかし、テントの中で部員全員で夕食を作る場面では前神さんに調理器具の使い方や、
テント泊の際に持ってくるべき小道具などを伝授していただき大変参考になった。天狗
岳の頂上までは行けなかったものの、あそこで引き返す勇気も必要だということを学ぶ
ことになり、むしろ貴重な経験だとも思えた。今後も今回の山行で学んだことを今回不参
加の他の部員とも共有していきながら、スキルアップを目指したい。
●4月4日 北八ヶ岳の個人感想 大矢 和樹(法学部1年)
天狗岳、北八ヶ岳冬合宿
初の合宿。初の冬山。初のテント泊。初のアイゼン装着。とにかく初めてづくしの冬合
宿になった。冬山は初体験だったこともあり、少し怖くもあったが、雲上の銀世界に広が
る世界を想像すると、胸の鼓動の高まりを覚えた。アイゼン、ピッケルは部室から借りた
わけだが、ここに重大な誤りがあった。アイゼンを実際に装着してみるという準備を怠っ
てしまったのである。これこそが今回反省するべき最大の部分である。実際、2日目の朝
に焦ることになり、かつそのアイゼンが不調だったことで、天狗岳の登頂を断念せざるを
得なくなった。今後は自分のミスで他人に迷惑をかけないようにしなければと感じた。
良かった点として、やはり雪山で生活できたという点である。テントの中で作ったキム
チ鍋は、体を芯から温めた。テントの中は想像以上に温かく、シュラフに入ればほとんど
寒さを感じなかった。澄みきった凍てつく空気に包まれながら、夜は満天の星空。オリオ
ン座、おうし座、ベテルギウス、、、自分が知っている星座を確認していると、ふと、時間
の流れを忘れてしまうほどだった。
すべてが初体験。今回の貴重な体験をこれからの山行に生かしていきたいと思う。
●4月7日 北八ヶ岳山行の感想 前神 直樹(昭和51年卒)
中村さん
大したことも出来なかったのですが、学生全員から感想を取っていただきありがとう
ございました。
雪中幕営も慣れてしまえばどうということもなくいつかは生活の一部のようになるの
ですが、学生諸君にとってはこれからですね。
活動の中身は別としても組織として部はやっと順調に回り始めたと思っています。
変わらぬサポートありがとうございます
辰川君
感想ありがとう。雪の山もガンガン行ってください。
ところでこの間の山でも言いましたが、今年の夏是非とも上君と一緒に文部省登山研
修所の研修うけてください。研修費はOBから補助します。
我々の研修よりもずっと良い経験になります。
よろしく!!
【 写真説明 】 写真1 3月21日 13:10(撮影:大矢)
渋の湯~黒百合平間
(後ろから太田、西山)
写真2 3月22日 6:28(撮影:大矢)
中山峠~天狗岳下間
(後ろから高橋、上)
写真3 3月22日 7:23(撮影:大矢)
中山峠~天狗岳下間
写真4 3月22日 8:31(撮影:大矢)
黒百合平
(左から高橋、上、辰川、大矢、太田。西山)
■3月31日 Re::北八ヶ岳山行の感想(感想・失敗談) 高崎 俊平(昭和41年卒)
****** 2015年3月31学生専用メールより転載 ******
先日の「三月会」の席で話の出た、学生さんの雪上訓練(幕営・雪上歩行)に付き合う
事にして、唐沢鉱泉から西天狗に登り、東天狗から黒百合平に下り、渋温泉から登って来
る学生さん一行に合流する積りで出掛けました。この計画は失敗でした。唐沢鉱泉は4月
末まで休業中で、車は唐沢鉱泉・夏沢鉱泉の分岐点までしか行けず、雪の林道を約4Km
余計に歩かされました。唐沢鉱泉から登山道に入ると、踏み跡がほとんど無く、春の雪の
ためズボズボもぐり、コースタイムの倍以上かかってやっと展望台に出ました。その先は
踏み跡が全く無くなり、ヨレヨレになっていたので先を諦めました。丸1日誰にも会いま
せんでした。積雪期にはポピュラーではないルートの様です。一旦下山して、渋温泉に
車を廻して、黒百合平に向かうべく、林道をトボトボ歩いていたら、今度はアイゼン・バ
ンドが壊れました。黒百合平にも行けなくなってしまいました。
翌日、気を取り直して渋温泉から黒百合平に上がり、天幕を撤収中の前神さん・学生さ
んパーティーに出会いました。学生さん達は雪上訓練を終えてこれから下山する、と言う
事なので、一人で東天狗に登り(途中、結構急な斜面・岩があり、引率は大変だっただ
ろうな、と思いました)、帰路は黒百合平を素通りして渋温泉に下山しました。助人を申
し出ていながら、何も出来ず、却って足を引張ってしまう結果になってしまいました。
●3月31日 Re::北八ヶ岳山行の感想 中村 雅明(昭和43年卒)
高崎さん
早速のご報告有難うございます。
いやー22日のみの行動と勘違いしておりました。2日間もご苦労様です。失敗談と言うより、涙ぐましい先輩の行動です。
昨年10月25日にも学生に先行して丹沢山を往復されました。陰ながら見守っていただき感謝します。
●3月31日 Re::北八ヶ岳山行の感想 藤原 朋信(昭和44年卒)
高崎大兄
藤原です。学生隊のサポートお疲れ様でした。冬の天狗岳には45年前に一回登ったき
りで地形等あまり覚えていないのですが正月休みの早朝だったので階段状の踏み跡にア
イゼンが気持ちよく効いた記憶があります。(後略)
●4月1日 Re::北八ヶ岳山行の感想 前神 直樹(昭和56年卒)
高崎さん
下記の顛末ありがとうございました。
高崎さんのお歳(失礼!)で超人気のルートとは別のルートで登ろうという気概を持たれ
たことに尊敬の念を禁じえません。
我々もバリエーションはやりましたが、年代を経てもそのような志向を持たれているこ
とは驚きです。
試験問題を解くことに精力を使ってきた思考方法ではダメだな、とつくづく感じます。
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