文責:坂本遼(法2)
メンバー
部員:坂本遼(法2)、曲文琛(社3)
OB:藤原朋信(昭和44年卒)、中村雅明(昭和43年卒)
天気:晴れ
コースタイム:徳和9:10-駒止10:00(出発10:05)-扇平10:53(出発10:58)-乾徳山11:32(出発11:55)-黒金山13:12(出発13:30)-西沢渓谷1512-西沢渓谷バス停16:10
総行動時間7時間
今回は昨年秋に行けなかった乾徳山と、その先の黒金山を経由して西沢渓谷に下るという日帰りにしてはかなり距離の長い山行であった。当日は天気も非常によく、ちょうどよい気温でまさに登山日和といった感じであった。思えば5月は非常に天候に恵まれたと思う。6月の梅雨の時期も、登山日には何とか天気がもってくれることを祈るばかりだ。
バス停から駒止めまではなだらかな登りが続く、うっそうとした森の中を歩くため少しひんやりするくらいだ。他の登山客を抜かしつつも、中村さんを先頭に一定のペースを保ってゆっくり登る。乾徳山まで約4時間の道のりのところを、2時間20分を目指すというのだからどんなペースで登るのかと思っていただけに、このペースは正直予想外であった。しかし地図でのコースタイムと確認してみると、順調に登っているのだと知り、改めてコースタイム設定の難しさを感じた。自分で計画を立てる際に、4時間を2時間半ほどで計算できまい。これこそ登ったことのある人でしかわからない経験則なのだろう。駒止を過ぎると国師ヶ原十字路にさしかかり、ここから一気に視界が開ける。景色が一変するのは乾徳山の醍醐味であろう。存分に満喫しながら歩みを進めると、少々登りが急になってくる。日差しが照り付けるため先ほどよりも暑さは感じるが、それでも難なく扇平まで到達。ここからがいよいよ岩場である。あたりに岩が多くなり、アスレチックのような感覚で登っていく。岩場の登山道はアクセントがついて楽しく、おまけに高度も一気に稼げるので好きだ。ところがここで、中村さんが足をつってしまった。今度は自分が先頭になって先に進む。終盤は大きな岩をよじ登る少しスリルのある登山道だ。鎖を使いながらうまく足場を探して登っていく。最後の一枚岩は渋滞が起きていたためう回路を通って山頂に至る。ほぼ計画通りのペールで到着。中村さんも無事到着し、ここで昼休憩。山頂からはこれから歩く黒金山までの尾根道がずっと見渡せ、さらにその奥には西沢渓谷を挟んで甲武信ヶ岳が見えている。日帰りでは難しい甲武信ヶ岳は、今年中に泊りで行ってみたいと思いながら、岩に腰かけ昼食をとる。まだまだ先は長い。20分ほどで出発。黒金山を目指す。
黒金山までは基本的に稜線を歩くので先ほどのような登りはなく、軽いアップダウンを繰り返しながらどんどん進む。地図上では2時間45分と書いてあったところを1時間半もかからずに着いてしまい、何ともあっけない感じである。藤原さんいわく、乾徳山から先の登山道は登山客が少なく、そういった道のコースタイムは長めに設定されているらしい。確かに乾徳山にはひっきりなしに登山客が来ていたが、黒金山までの道では人とほとんど会っていない。しかしこの山からの眺めは想像以上であった。正面に北奥千丈岳をはじめ国師ヶ岳などの奥秩父の山々が見渡せ、さらに奥には金峰山も小さく顔を出しており、右を向けば奥秩父の稜線が連なり甲武信ヶ岳に至る、奥秩父の山々が眼前にそびえたっているのである。いつか向こうの山々を歩いてみたいと思いながら、しばし景色を堪能する。
黒金山を過ぎると道は西沢渓谷に向かって徐々に高度を下げていく。といってもなかなか下がっている印象がない。下がったと思うとまた小さな登りがあるといった箇所がいくつもあり、ほとんど展望がきかない道を黙々と歩いていく。牛首のタルの分岐を過ぎると大きな登りがあり、まだまだ気が抜けないと気持ちを入れなおす。驚いたのは中村さんの下るスピードだ。足をつっていたのもあって登りは明らかにスピードが落ちていると感じたが、それが下りになると一転して、転がるように駆け下っていく。自分も必死について行ったが、さすがは一橋下山部の異名を持つ山岳部だっただけのことはあるなと、ただただ驚くばかりであった。中村さんに聞くと、身体に染みついているとのこと。我々現役が山行であのようなスピードで下れるだろうか。普段はいいとして、最終バスに遅れそうだとか、小屋につく前に日が沈みそうといったときなど、どうしても急がなくてはならないときに、あのスピードが出せるだろうか。日ごろから時々でもこの速さで下る練習をするのは非常に有効であろうと感じた。部内では歩荷山行を行おうという意見も出ている。週末ただ山に登るだけでなく、それぞれ目的を持ったものに変えていく必要があるだろう。最終バスに間に合うか危ぶまれたが、中村さんの圧倒的なスピードで無事間に合うことができた。今回の山行はいいトレーニングになると共に、奥秩父の山々をこの目で眺められて個人的には得られるものが非常に大きかった。そろそろ夏合宿の予定が立ち始める頃である。去年以上に充実した夏の山行になるよう、最大限の準備をして夏を迎えたい。
乾徳山直下、岩場の途中にて 11時48分 (撮影:坂本)
乾徳山山頂から黒金山、甲武信ヶ岳を望む 11時38分(撮影:坂本)
黒金山山頂から 北奥千丈岳、国師ヶ岳、朝日岳など奥秩父の山々を望む
稜線左にかすかに見えているのが金峰山 13時16分(撮影:坂本)
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