雲取山(16/02/12)


文責:内海拓人(法2)

参加者

 

太田貴之(商4年) 内海拓人(法2年)

 

 

 

天気

 

晴れ時々曇り

 

 

 

コースタイム

 

9:20鴨沢バス停→12:40ブナ坂→13:30小雲取山手前で引き返す→16:30鴨沢バス停

 

 

 

 アイゼンと新しい靴を購入し、春休みに入ったら雪山に行きたいと考えていた。まずは雪山体験ということで丹沢主脈の縦走を計画していたが、予報では天気は下り坂だった。そこで予定を急遽変更し、雲取山へ出かけることとなった。日帰りも不可能ではないため、山頂に着いた時間によって小屋に泊まるか下山するか判断することにした。

 

 当日の朝、僕は余裕をもって早めに奥多摩駅に到着し、靴やゲーターのセッティングをして軽く準備運動をしていた。ふと携帯を見るとメッセージが届いていた。少し嫌な予感がしてメッセージを開くと、上さんが寝坊したとのことだった。鴨沢までのバスの本数が少ないので、上さんは参加不能となってしまった。太田さんが到着して装備を確認すると、一応ガスとコンロと鍋は揃っていたので泊まれないこともなかった。しかし燃料に余裕もないので、今日は日帰りにすることに決めた。

 

 鴨沢のバス停から舗装路を歩き始めると、8月に灼熱の中ここを歩いたことを思い出した。気温が低いとここまで楽なのか、と少し驚いた。登山道に入ってからしばらくは、雪がある箇所とない箇所が交互に続いた。特に登りにくい箇所もなく、順調なペースで歩を進めた。このペースなら日帰り登頂は余裕であろう、と考えていた。

 

 出発から2時間ほど経ち、登山道周囲の雪が深くなってきた。トレースははっきりついているものの、少し滑りやすい箇所が増えてきた。11時半頃、雪が途切れなくなったと思われたためアイゼンを装着した。僕にとっては初アイゼンである。家で練習した通りに問題なく装着することができた。全然滑らないと喜んで進んでいると、また登山道の雪がなくなってしまった。仕方ないのでアイゼンを外すこととなった。そして、このあたりで両足のかかとに違和感を覚えた。靴を脱いでみると、靴擦れを起こしていた。1回試し履きをしたときは大丈夫だったので、原因がわからない。ガーゼとテープで応急処置をしたが、この後も終始靴擦れの痛みに苦しめられることとなってしまった。

 

 七ツ石小屋を通過し、水場で水を汲んだ。序盤は軽快に歩いていたのに、足に強い疲労感を覚えた。尾根まで出てしまえば登りは少し緩やかになったはず、と自分を奮い立たせた。七ツ石山へと通じる尾根に出ると、再びアイゼンを装着した。歩き出そうとすると後ろから僕を呼ぶ声が聞こえる。振り返ってみると呼び止めて下さった方は手に僕のピッケルを持っていた。あんな大きいものを落としても気付かなかった自分に驚いた。山によってはピッケルを失ったら洒落にならない。反省すべきである。

 

 七ツ石山からブナ坂にかけては眺望が開け、少し元気が出た。アイゼンでザクザクと音を立てながら尾根を歩くのはとても気持ちがいい。しかし、尾根上では樹林帯にはない強風が吹き、体感気温は一気に下がった。かかとは相変わらず痛み、登りになると足を上げるのが辛い。太田さんのペースも落ちてきていた。そろそろ避難小屋が見えるはずだと考え始めたとき、タイムリミットの13時半となってしまった。2人とも雲取山は登頂したことがあり、一番眺望が良い場所は実はブナ坂付近であることも知っていた。そして何より2人とも疲労困憊であったため、何のためらいもなく下山を開始した。

 

 下山は靴擦れの痛みとの戦いとなってしまった。何度か靴紐の結び方やテーピングを変えてみたが、効果はなかった。最後は半ば諦め、痛みとは別のことを考えて歩くことに努めた。高い靴なのに今後も靴擦れが続いたら…と考えると恐ろしい。(ちなみに、帰りはブナ坂から七ツ石山を巻いたところ、ずいぶん楽だった。七ツ石小屋に寄る必要がなければこの巻道を使った方がよいと感じた。)

 

 今回は結局山頂まで到達することができなかったが、雪山を歩く感触をつかむ良いトレーニングとなった。雪があると無積雪の山と比べて歩くのに時間がかかり、体力も消耗するということも身をもって体験できた。今シーズン、まだ雪山に入る機会がありそうなので今回学んだことを活かしていきたい。そして、4年生の先輩と一緒に山に登れる機会も残り少なくなってきてしまった。特に雪山については経験がないので、先輩から学べることはきちんと吸収し、一緒に山に登る時間を大切にしたい。

 

 

アイゼン装着(11:30 撮影:内海)

 

奥多摩小屋~ブナ坂間より(13:45 撮影:内海)