文責:松橋凜太郎(1年)
●参加者 西山祥紀(5年)、内海拓人(3年)、小久保剣(2年)、松橋凜太郎(1年)
●コースタイム
09:22 東武日光駅→09:45ゲート手前→10:05ゲート→10:35展望台→
11:30雲竜渓谷→11:55雲竜渓谷階段手前で昼食12:00発→12:30折り返し→14:30ゲート→15:30東部日光駅乗車
●行動と感想
山行の二日前の2月10日に八ヶ岳連峰阿弥陀岳で早大生二人が滑落し、その後一名が死亡する事故が起こっていた。昨年11月にも東工大生が北アルプス・立山連峰で雪崩に巻き込まれる事件があった。どちらも衝撃的な事件であり、このような状況の中で雪山に登るというのは不安な部分があったので、前日は普段以上に体調を整えることに専念し、『山のリスクマネジメントBOOK』(TRAMPIN‘PLUS)という本を事前に読むなどして今回の山行に臨んだ。
予定ではタクシーで滝尾神社まで行く予定だったが、運転手の技術が高く、ゲート手前まで走らせてくれたので全体の負担が軽減した。ゲートでは、正規ルートと工事用ルートの二手に分かれていた。以前の山行では左手の工事用ルートを使用したため、今回もそちらのコースで登った。途中すれ違った下山中の登山客からこのルートで行けるということを聞いて一安心。それから林道(コンクリート)を一時間ほど歩いたが、雪はまばらで固く、滑りやすかった。登りはそれほど滑らなかったが下りは相当滑ることが予想された。
雪が積もり始めた場所で周りの登山客がアイゼンを付け始めたのにならって我々もアイゼンを装着した。私にとっては初めてのアイゼン歩行である。買ったのはグリベルの12枚歯。24000円した!高い!ちなみに雪靴は、元値72000円のところを半額で買えた。二つ合わせて60000円以上したので結構な出費だったが、やはり命を守るため、致し方ないだろう。雪に足を置くとサクサクと気持ちいい音がして楽しいし、何といってもすべらない。難しいのは沢を渡るときで、雪が積もっていない岩から岩へと飛び移らなければいけないポイントがいくつかあった。アイゼンでは岩と歯の先端部分との接地面積がとても狭く、いかにも滑りやすそうで、細心の注意を要したが、幸い水に落ちることはなかった。去年の先輩は水に何度も落ちてしまったようで、きっと寒くて大変だっただろうなと思った。
昼食はつららが見える階段付近でとった。魔法瓶に熱湯を入れてカップラーメンを食べている先輩がいて、なるほどと感心した。魔法瓶は雪山でも有効なことに、現代技術の力強さ・心強さを再認識した。自分はカロリーメイトといった粉っぽいものばかり持って行っているので、工夫もしたいなあと感じる。
雲竜渓谷は事前にインターネットで調べていたのでつららがどんなものかある程度わかっていたが、やはり目の前にすると感じるものがある。なんといっても大きい。つららが塊をなして作られた一個の大きな氷の塊が壁に張り付いている、といった感じだ。さらになぜか青白く発行している(と感じられた)。これは写真で確認していただきたい。山行の週は記録的な寒波が北日本を覆っていたらしく、例年よりもつららが残っている状態らしかった。雲竜渓谷折り返し地点より奥に行こうとしたが、今回はヘルメットをしておらず危険という判断で引き返した。
ピストンで同じ道を戻った。アイゼンはつけた場所と同じ場所で外した。下りはタクシーを使わずそのまま東武日光駅まで歩いたが、コンクリートの地面は固く、跳ね返りで足が疲れてしまった。さらに予想した通り凍った地面は滑りやすく大変歩きにくかった。しかし良いトレーニングにはなったと思う。山に登ることでしかつかない筋肉があるというが、きっと雪山に登ることでしかつかない筋肉もあるのだろう。4人という少ないパーティーだったが、帰りの電車を含め、面白い話をたくさん聞けてとても楽しかった。先輩が卒業してしまうのは寂しいことだ。
全体を通してケガ、滑落などなく安全な山行であった。しかしこれから本格的な雪山山行を始めるにあたっては、装備が足りていないと感じる。特にスコップ、ゾンテ棒、ビーコンは持っておきたい。雪崩が起きなくても、持っていれば安心感がある。また、雪上訓練の必要性も感じる。準備しすぎて悪いことはないのだ。
左から、小久保(2年)、松橋(1年)、内海(3年)、西山(5年)
(撮影者 他の登山客 12:28)
青白く見えるつらら(撮影者 松橋 12:10)
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