常念合宿(18/7/30~7/31)


 

☆天気

 

両日を通じて晴れ

 

 

 

☆コースタイム

 

 7/30(一日目)0512国立駅==0951穂高駅1000==一の沢登山口1045--1135王滝ベンチ--1310胸突八丁1315--1335最終水場1350--1450常念乗越()

 

  

 

7/31(二日目)0300常念乗越0425--0530常念山山頂0600--0805 2592m地点--0905蝶槍0920--0940 2625m地点(ここで隊を2つに分ける)--1010蝶ヶ岳--1020妖精の池--1035長塀山1040--1215徳沢1250--1350明神分岐--1445上高地バスターミナル

 

☆行動と感想① (文責:二年 阿部)

 

 まず、今回の山行の意義を確認すると、夏合宿②へ向かう上級生のための調整山行としての位置づけと、確定合宿と定期山行の経験を重ねた新入生が初めて1泊以上の長期の山行をするという位置づけであった。

 

次に今回の山行に至った経緯を説明すると、本来ならば728日から30日の23日の山行となる予定であったが、26日に天候判断を行ったところ台風が直撃する予報だったため、30日と予備日の31日を含めた12日へと短縮された。山域の決定に際しては「行動時間に制限がかかるが12日で行けるアルプス山域に行く」または、「行動時間をたっぷりとって近くの山域で12日の山行を行う」という選択肢があったが、やはり行ける機会が長期休みに限られ景色もよいアルプス山域に行きたいということで、本来行くはずであったコースを短縮して12日に収めることにした。

 

前泊日は泊まる人数が普段よりも多く、とても蒸し暑かったため部室でなく国立周辺のネットカフェに泊まることになった。後から考えてみると、山行にまだ慣れていない新入生も多かったため、快適なネットカフェに泊まることは睡眠不足を解消できるという点で有用であったと思われる。その後皆で朝食を食べて0512国立発の電車に乗ることとなったが、ここで一つ問題が発生した。国立住みの部員がなかなか現れず、それについての連絡も無かったことだ。一応発着時刻の数分前には到着していたものの、少々肝を冷やした。各人の持つ装備品のどれか一つでも欠ければ安全な山行ができなくなってしまうため、時間を厳守することや当日の朝にCLなどに連絡することはとても重要であると再認識し、今後は自分も気を付けなければと思った。

 

電車とタクシーを用いて一の沢登山口に到着し、自分が先頭となって登って行った。このルートは日差しが林によって遮られ、隣に沢を臨むためそこまで気温が上がらず快適に登ることができた。胸突八丁を通過したあたりでは一年生らはそこまで疲労しておらず、コースタイムも予定より一時間半ほど短縮することができたので今年の一年生のレベルの高さに期待が持てた。最終水場で長めの休憩を取り、常念小屋では無料の水道がないため各人水を補給した後常念乗越へと向かいましたが、皆少し疲れていたためなのか休憩を多くダラダラととってしまいその区間はコースタイムプラス10分という結果になった。確かに休息をとることは重要だが、取りすぎて逆に登りのリズムが崩れてしまったことは反省点だろう。テント場には予定より1時間15分早く到着し、テントの設営にもあまり手間取らなかったため余裕をもって夕食の準備をすることができた。夕食のメニューはチキンのトマト煮と白米でどちらもうまくできた。この時点で、明日の行程を一時間前倒しにすることで予定より早く下山し東京に帰ることを決定し、起床時間を3時として各テントで翌朝の準備に勤しんだ。

 

だが、前日の準備もむなしく出発の準備に手間取ってしまい出発できたのは430分頃だった。各テント間で準備の時間の差が大きかったことが原因だと考えられるため、前日の準備や朝の動き方などを見直す必要があるだろう。朝はとりあえず自分の荷造りを優先するのではなく朝食の準備やテントの撤収の作業を最優先することを徹底させなければと思った。本来の予定では常念岳山頂で日の出を迎えるはずであったが、前述の準備の遅れや、山頂へと登っている最中に部員が一名催してしまうことなどがありかなわなかった。常念岳山頂からはガレ場や岩場を下って行ったが、パーティの人数自体が多いことやそのような道にまだあまり慣れていない人も多かったので、想定よりも時間がかかってしまった。また、浮石に足を取られて滑りそうになったり、下る際に前の人との距離が近かったり、印がついているルートを見落としていたりと反省点が多かった。

 

蝶槍の山頂に差し掛かったあたりで一年の西堀の持病の喘息が悪化したようで、蝶が岳の手前の分岐でパーティを二つに分けることにした。エスケイプする方はCLの安藤さんと西堀、更に2年の宮川で、もう一方はそれ以外という分け方であった。西堀は普段は喘息の常備薬を持ち歩いていたようだが、今回は忘れてきてしまったようであった。部の共同装備である救急セットだけでは全ての症状に対応することは困難なので、普段常備薬を使っている人は山行にも忘れずに持ってきたほうがいいだろう。更に仮に山行中にケガをして地元の病院を利用するときに備えて保険証の原本やコピーも忘れずに持っていたほうが良い。かくいう自分も去年山行中に蜂に刺されて地元の病院に行かなければならなくなったことがある。

 

2625m地点で一度別れ、徳沢でもう一度合流することにした。エスケイプチームは蝶ヶ岳を登らずに横尾方面に下山することで徳沢まで4時間かかるが急坂が少なく平地が多いルート、もう一方は蝶ヶ岳と長塀山を経由することで徳沢まで3時間半だがアップダウンに富むルートを進んだ。これ以降この記録では後者の記録を書いていく。

 

蝶ヶ岳の手前の蝶ヶ岳ヒュッテで各自水やスポーツドリンクなどを購入し水を補給した。自分は朝の時点で3リットルほど持っていたにも関わらず、日差しが強く暑かったためそこでは1リットル少々しかなかった。行動時間が長い山行や気温が高い日の山行ではこのように水がなくなることも十分考えられるので、プラティパスの容器だけでも予備でもっていく、水自体を絶対無くならないくらい多めに持っていくなどの対策が必要だと思った。

 

蝶ヶ岳からの下りでは先頭の吉田さんがかなりのスピードを出していたので、自分は他の部員は大丈夫だろうかと心配になったものの皆着いて来ていたため杞憂であった。今年の新入生は元運動部で運動経験豊富な人や高校時代も山岳部に所属していた人が大半だったためであろう。徳沢まで3時間半かかるところを2時間半で下ることができたため、前半の遅れを挽回することができた。だが、徳沢についてからしばらく待った後、エスケイプチームに連絡を取ってみると、彼らはまだ横尾山荘にいて徳沢までまだ一時間以上かかるとのことだったので予定を変更して上高地で合流することにした。徳沢から上高地までの道のりは特筆すべき事項はなく、黙々とゴールに向けて歩いていくだけであった。一足先に上高地について一時間ほど待ってからエスケイプチームと16時前に合流してバスターミナルにチケットを購入しに行ったが、意外にも混雑しており乗車する予定であった1645分発が売り切れてしまったため、合流前にチケットを購入した人以外は松本駅までタクシーで帰ることとなった。そのような事態になった経緯としては、徳沢を出発してからエスケイプチームと連絡を取っていなかったため、エスケイプチームが何時ごろ上高地に到着するのかが分からずギリギリまでチケットを購入せずに待っていたこと、また、徳沢と上高地間は平地の一本道であったことから主に自分が油断して各々のペースで勝手に進んでしまったことが原因であろう。予約をせずに当日にチケットを購入する必要がある場合はチケットを購入してから休憩をとったり、今回のようにパーティが分かれてしまった場合は連絡を密に取り合う必要があること、いついかなる場合も山行中は単独での勝手な行動をしてはいけないことが今回の反省である。

 

 

 

ここまで長々と細かい共有しておきたい事項や自分の所感などを述べてきたが、この山行全体としては一年生全員と一緒に登れる貴重な機会でありいろいろな話ができて楽しかったという思いと、体調不良者が出るというトラブルの対応や山行中の様々な場面で、安藤先輩と吉田先輩に頼る部分が大きかったため自分もこれ以降いろいろな後輩を率いていくことになるにはまだまだ経験を積まないといけないと自覚し、これ以降の山行により精力的に臨まないといけないと思いました。

 

☆行動と感想② (文責:一年 井上)

 

 台風12号の猛威を受け、急遽一泊二日の山行となった今回の夏合宿。まず、これからの夏の時期における部室での前泊なるものは幻想にすぎないと実感した。部室はあまりに熱く、ただ立っているだけでも腕から汗が滴るような状態であった。そこで、参加部員の同意を得た上ではあるが、部員の体調と生命に考慮した安藤さんの采配により、冷房の効いたインターネットカフェでの前泊が敢行される事となった。ただネカフェで寝たことを記録に盛り込むべきなのか、諸先輩方の判断を仰ぐべきところではあったかもわからないが、山行において無理をしないことが重要であると今回の山行を通して実感したため、前泊における重要な采配があったことを盛り込んでおこうと思う。安全管理の重要性を実感した。

 

 

 

 翌日の朝から、登山口に到着するまでの行程では特に問題はなかった。道中では、これから始まる夏合宿に思いを馳せつつ、ネカフェで取りきれなかった分の睡眠をとっていた。

 

  一の沢登山口から常念小屋にかけて、ただひたすら汗をかきながら登り続けた。ところどころ足を滑らせたら危ないような丸太橋などはあったが、特に問題はなかった。あくまで個人的な感想だが、最終水場での休憩が1日目のハイライトであった。目にも耳にも涼しい、水の流れる音と風景が印象に残っている。

 

 

 

 テント場についてから夕食の間は、なかなか寒かった。防寒着がなかったら体調を崩していたものと思われる。調理の段階から夕食後にかけて、主に某一年生部員に関する話に花を咲かせた。その部員に関する話は内容が内容であるため、花を咲かせた、というのが適切な表現かは甚だ怪しいところではある。また、安藤さんから教えていただいた山岳部伝統のカードゲームがなかなか盛り上がった。下の世代に引き継いでいきたいが早くもルールを忘れつつある。

 

 

 

 二日目は、朝の出発が少し計画より遅れてしまったことや、のちの下りの行程で思いの外時間が取られたことから、全体的に巻くことを念頭に置いた行動となった。日の出から、雲海上に臨む朝日まで、常念岳の山頂手前からよく臨むことができて本当に綺麗だと思った。

 

 

 

   常念岳から蝶ヶ岳にかけての下りは、かなり急峻でかつ長かったため膝が辛かった。また、岩場での行動に慣れていないせいもあってか、一度は尻餅をつき、もう一度は普通に転んでうつぶせに倒れてしまった。中央に岩があって二手に別れるようなところで、意図せずに険しい方のルートを選んでしまっていたようで、大きな反省点である。

 

 

 

 蝶槍手前の休憩時には、西堀の喘息が悪化したとのことで、大事をとって急遽隊を二つに割って、一方は蝶ヶ岳へのルートをそのまま進み、一方は蝶ヶ岳手前の分岐で槍見台側に下りるルートをとる事となった。ここに関しては特に上級生がどちらの隊に割り振られるかといったことが問題になったようだが、これを受けて、自分も来年以降は後輩の安全に一定の責任を持つ立場になることを意識した。

 

 

 

   蝶ヶ岳から徳沢にかけての長い下りもやはり辛かった。特に樹林帯の急坂に差し掛かるまでのランニングによる疲労の蓄積がじわじわと膝を蝕み、急坂を下り切る頃には膝が笑っていた。

 

 

 

   下りきった後の解放感は表現しがたく、すばらしいものがあったが、個人的にはここから上高地までの徒歩行程がとても辛かった。今まで感じていなかった荷物の重みが直に肩に感じられ、嫌に右腕が痺れたりと周りの景色を楽しむどころではなかった。しかし、上高地到着後、OBの方のお話を聞きながら休んでいるうちに周りの山々の景色がいかに綺麗か身にしみて感じた。初めての夏合宿であったが、充実した山行であったように思う。

 

 

 

常念合宿 エスケープルート記録(18/7/31

 

文責 安藤由都(法4)

 

 

 

☆メンバー

 

安藤由都(法4、CL)、宮川純樹(社2、食料)、西堀拓真(法1、記録)

 

 

 

☆天気

 

一日を通じて晴れ、日差し強し

 

 

 

☆コースタイム

 

7/31 ベンチ1125---1145槍見台1155---1215横尾山荘1240---1330新村橋---1345徳沢1400---1455明神分岐1505---1550河童橋(残りの部員と合流)

 

 

 

☆行動と感想

 

 常念合宿2日目行動中に体調不良者が出たため、蝶ヶ岳を目指す隊と横尾経由で下山する隊に分けた。以下、横尾経由のルートについて詳述する。

 

 2日目の朝。常念岳山頂を越え、2591m地点を越えて休憩中、1年西堀が喘息の症状を訴えた。登っていると呼吸が苦しくなるとのことで、かなり具合が悪そうに見えた。喘息は根性でどうにかなるものではない。蝶ヶ岳までの登りはまだ続くため、彼をこのまま縦走させるのは危険と判断した。そこで蝶槍まで進んだ後隊を2隊に分け、横尾を経由するルートで先に下り始めることにした。

 

 エスケープすることを決めた休憩地点は蝶槍の手前だったため、どちらにせよあと少しは登らなければならない。列の2番目に西堀を置き、ゆっくりと登ることを心がけた。休憩もこまめにとり、遂に蝶槍後の分岐に辿り着いた。目の前には蝶ヶ岳がそびえており、ここから30分超の登りが続く。改めてこのまま全員で縦走を続けるのは危険だと判断した。

 

 蝶ヶ岳を目指す隊のリーダーはSLの吉田に任せた。就活明けの私より体力があり、技術も申し分ない。安心して任せることができた。上高地で落ち合うことを約束し。しばし別行動となった。

 

 エスケープのメンバーは、安藤・宮川・西堀の3人だ。私と西堀の2人では、万一何かあった時に心許ない。去年同じ山域を経験している2年宮川についてきてもらい、万全を期すことにした。このとき救急セットを1セット阿部から預かった。

 

 分岐から横尾山荘まで下りる道は、ただひたすらに急坂が続いていた。体調不良者もいるため、こまめに休憩を取りながら進んだ。ニゴマンには急坂終わりの目印としてベンチがあると記載されていたが、実際にはベンチは道の途中途中にあり、自分がどの地点にいるか判断しづらかった。感覚的にコースタイムより遅く歩いていることはなかったが、先が見えないのは大きな負担である。たわいない話をしながらひたすら下り続けた。

 

 次は、槍見台である。ここが間違えやすいポイントであるから、次回通るときは気をつけたい。いくつかのベンチを越えた後、3人揃って「ここが槍見台であろう」という場所に出た。開けた場所に整備されたベンチがあり、そのベンチに座ると正面に槍ヶ岳を望むことができる。まさに「槍見台」の名に相応しい場所であった。しかし、その地点を越えて下っても横尾山荘が見えてこない。しばらく下ると、「槍見台」と書かれた標識とベンチがあった。ベンチに座ると槍は綺麗に見えたが、先ほどの地点の方が標高が高い分よく見えた。あちらを槍見台に改名した方がよい。

 

 横尾山荘に下りたのは、12時過ぎであった。ここからは等高線に沿った道が続くため、高低差もあまりない。山道でもないので、とりあえずは一安心した。

 

 ただ、上高地まではその何の変哲の無い道を後3時間歩かねばならない。内心タクシーを呼びたいと思ったが、ここにタクシーは来ない。虚無の3時間であった。

 

 途中、状況確認のため吉田に連絡したが、応答はなかった。聞けば、お喋りに夢中になって気づかなかったという。今回のように隊が2つに分かれた場合、下山後に連絡を取り合えるようにしておくことは重要だ。今後気をつけたい。

 

 横尾山荘に着いた頃には西堀の体調も回復してきたようで、無事全員で下山することができた。イレギュラーな事態も多かったが、概ね上手くいったように思う。

 

今回1年生は全員アルプス縦走が初めてであるため、体調不良者が出ることはある程度予測していた。エスケープの少し前にも、1年山下が腹痛で一度隊を外れた。部員の体調に合わせルートを選択する重要性を再認識させられた山行であった。

 

 

 

 今回の常念合宿には、私は元々参加する予定ではなかった。運営会で最終確認をする中で、1年生の数に対し上級生が少なすぎるのではないかという懸念が持ち上がり、急遽私が参加することになったのである。何度も登っている山域だったのでコース面での不安はなかったが、初めて1年生と登ることに少し不安を感じていた。

 

 蓋を開けてみると、体力面での不安は払拭された。一ノ沢からの登りもなんなくこなしており、バテている様子もなかった。ほぼ全員が何らかの体育会経験者であり、基礎体力もあるのだろう。これからの成長が楽しみだ。

 

 反面、細かい技術面では不安が残るというのが正直な感想だ。岩場を登る際に十分な間を開けていなかったり、三点確保を怠ってグラついていたりすることが目立った。テントも畳むのが遅く、目標出発時間を10分程オーバーしてしまった。これからの山行では、同じようなミスがないようにしたい。

 

 自分自身久しぶりの宿泊山行であり、CLを務めるのは実に一年ぶりであった。自身の反省点としては、エスケープの下調べが足りなかったことが挙げられる。どうせ使わないだろうと思い細かい確認をしておらず、ベンチで多少混乱してしまった。

 

とはいえ、景色は最高で思い出に残る合宿となった。

 

 

 

3年 吉田

 

冬に見た時と同じくらい、蝶ヶ岳から眺める穂高・槍が荘厳だった。個人的に常念から見渡す景色より、蝶ヶ岳から広がる景色の方が好きだと感じた。今回新しかったことは、計画書をインターネットから提出したことである。再提出すれば修正されたとみなされるので、計画の変更にも対応できて悪くないと思われる。また私にとって一年生を責任ある立場で連れていくことも初めてだったので、学んだことも多かった。安藤さんとうまく連絡がとれなかったのは特に反省である。次につなげたい。一年生はしっかりとついてきてくれてとても頼もしく思った。今後が楽しみだと感じた。

 

 

 

2年 阿部

 

 今回の夏合宿は自分の中での成長とともに、課題も見える山行であった。まず、今回の山域は自分が1年生の時も登っていたが、去年と違って下級生を率いたり、テントなどの重い装備を持つ必要があった。だが、疲労で前についていくので精一杯であった去年とは違い、登りにおいては足の疲れやバテたりすることはほとんどなく、下りに関してもあまり集中力を切らさず下ることができたと思います。

 

 ですが、二日目の岩場を下る場面になると道迷い防止用のピンクテープや、ルートファインディング用の印などを見落とし、変なルートで進んでしまうといったことがいくつかあり、疲労状態でももっと周りに注意を払い視野を広く持てるような余裕が必要であると感じました。

 

 

 

2年 宮川

 

自分の中で、今回の合宿は合宿②へのウォーミングアップと、下級生を率いる上級生としての成長を目指したものであった。

 

 前者については登りの息切れが怖いが、比較的楽しく登れた時間が長かったように感じる。後者についても安藤さんと吉田さんに頼りながらも一応達成できたのではないかと思う。

 

 全体としての課題は情報の共有不足である。テント場でのコミュニケーションなどはしっかりとれていたためにこれは残念だった。これまで1年生との接触がなかった安藤さんはさまざまな話題を振って、気軽に話せる雰囲気を作ろうとしてくださっていた。こちらから聞かれて答えるのではなく積極的な報告を心がけてほしい。

 

 

 

1年 内山

 

自分にとっては初めてのアルプスで、12日とはいえしっかりと歩き切れるか不安であったが、無事最後までついていくことができたので良かった。とりわけ常念岳からの360度の眺望は息を呑むほど美しく、槍ヶ岳や大キレットも望むことができ、今後の山行へのモチベーションを高めることができたと思う。

 

反省点としては、蝶槍への道のアップダウンが激しく、そこで体力を必要以上に消耗してしまった点が挙げられる。このように起伏に富んだ道であったとしても、うまくペース配分をして体力を温存できるように、更にトレーニングを行い、そういった経験を実際の山行でも積んで実践的な感覚を身につける必要があると感じた。また、最後の徳沢から上高地までの歩きは、平地であるとはいえ6km近い距離であり、それまでの疲労が一挙に噴出して、精神的・体力的に非常に辛かった。体力をつけることは勿論だが、最後まで気を抜かずに歩き切る強い精神力を錬成することも求められると感じた。

 

最後であるが、我々1年生を率いて下さり、手助けして頂いた上級生の先輩方に感謝したい。本当にありがとうございました。

 

 

 

1年 井上

 

夏合宿は2泊以上することが恒例となっているそうですが、今回の下級生向け夏合宿は台風12号の煽りを受け、一泊二日となってしまいました。そのため、行く前はでいつも通りの定期山行と変わらないのではと思っていました。しかし、結論から言うと、今回の夏合宿は自分の浅い経験上、最も体力的に困難でありながら、最も素晴らしい景色を見せてくれたと思います。

 

 初日は地図で確認した通り、ひたすら常念小屋に向かって登り続けるだけであったので、ある意味考えることの少ない、シンプルな山行でした。登る距離自体が長すぎるわけではなかったので、小屋に着くまでに体力を消耗しきることはありませんでしたが、ひたすら汗をかきつづけたので精神的に辛いものがありました。しかし、テント場に着いたのち、槍ヶ岳が雲間からのぞいた時に諸々の苦労が報われたような気がして素直に嬉しかったです。高校時代から毎回の山行のたびに、ただただ辛いし次の山行きたくないなぁと感じながらも、山岳部として山に行き続けた理由はこういったところにあるのだと思いました。

 

 夕飯はトマトリゾット風のものを頂きました。とても美味しかったと思います。反省点は、軍手ではなく冬用?の手袋のようなものを持って来てしまったため、調理の時に出すのが億劫になってしまったことと、トイレットペーパーを忘れて他の部員に借りてしまったことです。山では何を持っていくかでのちの対応が大きく変わってしまうということをもっと意識すべきだと感じました。

 

 二日目は3時に起床し、4時半前から常念岳に向かって進み始めました。常念前から山頂までの景色は本当に絶景で、今回の山行の一番の賜物であった上、天候に恵まれたこともまた良かったと思います。

 

 常念から蝶ヶ岳にかけての道中ですが、下りのところではとても石が多く、本当に歩きづらかったです。結果としてあれほどの岩場を降りる経験があまり無かったことと、自分の歩行技術の不足によって、二回滑ってしまいました。1度目は細かい砂利に足を取られて尻餅をつくだけで済みましたが、2度目は比較的崖に近いところで、小さめの岩に足を置いた瞬間にずるずるとすべり、うつぶせに倒れてしまいました。雨が降っていた時ならかなり危なかったことでしょう。ただ漫然と気をつける、と意識するだけでなく、どこに足を置くべきか進みながら前もって考えるべきだと思いました。

 

 蝶ヶ岳手前では体調不良者が出たため、隊を2つに割っての行動となりました。以降はひたすら徳沢に向かって下りつづける行程となりましたが、蝶ヶ岳から樹林帯の急坂手前までがほとんどランニングと化してしまったため、この段階でそれなりに疲労が蓄積。結果としてその後の急坂から徳沢までの下りで体力をほぼ使い切ってしまいました。横尾の小屋が見えた時、一気に疲れを感じた一方で、大きな達成感も得られました。

 

 しかし、個人的には横尾から上高地までの最後のウォーキングが最も苦痛の多い行程であったと思っています。というのも、このウォーキングの間にザックの重みがずっと肩に負担をかけ続けていた影響が出始め、右腕がやたらと痺れ始めたことがあったからです。最初はたまにくる痺れだと思って放って置いたのですが、だんだんと痺れが激しくなり、ついには右腕でポケットのスマホが取り出せなくなるほど悪化しました。さすがに変だと思い一旦右側の肩当てを外して今回は難を逃れましたが、今後もこのような事態が続くと思うと憂鬱で仕方がないです。何らかの解決策を模索しようと思います。

 

 

 

1年 山下

 

今回の合宿は、大学から山岳部に入った私にとって初の北アルプス登山、初の日本アルプス登山となるため、緊張感をもって臨んだ(つもりだった)。結果としてうまくいったこともあれば、隊の進行を遅らせるようなミスを含め、大小さまざまな反省点もあったので、ここで簡単に振り返ってみる。

 

 まず、荷物を軽くするために、〔最低限必要なもの以外はことごとく家に置いていった〕こと。高校生までの山小屋泊で登っていた時代の荷物の常連だった星座早見、双眼鏡、世界史用語集などをテント泊装備の今回も持って登っていたら、重さで確実にバテていたと思う。多分、正しい選択だった(今回も星は非常に綺麗だった)

 

 次に、合宿中の飲み物について。準備段階で今回の飲み水は1日2L+朝用のミルクティーと決め、足りない分は初日の水場で補給する予定だった。しかし、初日の水の消費が思ったより速く、水場で多めに水を汲むも全部飲み切らず、日をまたいで同じボトルの水を飲むことになり、(おそらくこれが原因で)2日目に下痢ぎみになってしまい、常念乗越~常念岳で他のメンバーに遅れをとってしまった。〔腹を下しやすい自分としては、2日目以降の飲み水はその日に汲むか、もしくは予め多めに持っていくといった対策が必要だった。〕衛生面でルーズになりがちな所での水や食料に関しては今後も真剣に検討していかねばと思った。

 

 他の反省点としては、着替え用のウェアの不足、ストック(トレッキングポール)への依存、全員分の朝食を運ぶときの管理の緩さ(チョコレートやパンを高温多湿になるザックに保冷剤なしで突っ込むのは問題だったと思う)、アレルギーや食材の好き嫌いを事前に確認せずメニュー立てをしたこと、等が挙げられる。特に、甘いものが苦手な人に甘さ以外の何物でもないスモアサンドを食わせたのは十分反省すべき点だと思った。人によって食事のメニューが違うのは、中高剣道部の夏合宿では常識的な対応として経験していたので、今後食料班を務めるときはもっと慎重に計画したい。

 

 個人的には改善すべき点がいくつも浮上した今合宿だったが、台風過ぎし後の好天にも恵まれ、全体としてはとても充実した山行になったと思う。今まで八ヶ岳からしか見たことのなかった槍・穂高や大キレットを間近で望めたのはとても嬉しい経験だった。これからの4年間で上高地周辺の山々には幾度となく足を運ぶだろうから、ガイドブックを読むなどして少しずつ知識を増やしていきたい。

 

1年       清水

 

 一橋大学山岳部に入って初めての夏合宿はとにかく暑く、タオルをもう一枚持ってくるべきだった。今回一番困ったことはキャベツである。何故かキャベツを一個まるごと持ってきてしまったのである。他の部員にキャベツをかじらせる羽目になってしまった。次はキャベツに気を付けよう。

 

 翌日起きると天候が回復していて雲海と日の出を見ることができた。山頂に着いてから見た景色もまたきれいだった。やっぱり山は晴れているのが一番である。

 

 

 

1年       西堀

 

 今回の常念岳での山行は反省に尽きると思った。終始汗を大量にかき、体力に不安を抱える状況だった。付け加えて喘息の影響でルート変更をしなければならない状況に陥らせてしまうこととなり、大変申し訳なく感じた。しかし、先輩方のサポートや忠告はとても助けになり、すごく感謝するとともに、今後の山行に生かしていきたいと思う。また集団の中で行動をとっていくことに対する反省としても、個人的にまだまだ自分で頭を働かせての行動ができていないと感じたので、今後しっかり善処していきたいと思う。初めてのアルプスであったが、なかなか自分の思い通りにいかない部分も多々あったので、これからは自分の体力を向上させていくとともに、自分のできる限界も把握したうえで山行に参加していきたいと思った。

 

 

 

・留学生 Jordan Katsakis

 

常念岳の山行は私の初日本アルプスでした。非常に美しかったです。数日経って、反省してから、常念岳の頂上から見た朝焼けと日本アルプスは今まで人生で一番きれい景色だと思います。

 

 CL安藤先輩とSL吉田先輩からいろいろまなべてよかったです。例えば、常念岳の難しい下りに転んだとき安藤先輩は「体重を足の後ろに集中したら、転んでも背中に落ちるとザックがあるから怪我しない」と教えてくれました。

 

 台風のせいで二泊三日分の山行は一泊二日になって大変だったけれども、本当に想像以上よかったです。山岳部員として短い間でしたが、大変お世話になりました。またオーストラリアでも日本でもほかの部員と一緒に山登りしたいと思います。

 

常念岳から見た槍ヶ岳(7/31 05:35 撮影者:吉田)