☆天気
一日目13時頃より曇り時々雨、それ以外は晴れ
☆コースタイム
8/4(一日目):0749下部温泉駅===0855奈良田第一発電所0910---0935大門沢登山道入口0940---1125峠---1300大門沢小屋(泊)
8/5(二日目):起床0230→大門沢小屋0410---0500 2139m地点---0710ゴーロ沢上端の広場0720---0750大門沢下降点0805---0855農鳥岳0905---0950西農鳥岳1010---1050農鳥小屋1100---1235間ノ岳1245---1500北岳山荘(泊)
8/6(三日目):起床0330→北岳山荘0430---0535北岳0545---0610北岳肩の小屋0615---0627小太郎尾根分岐---0735白根御池小屋0740---0915広河原0930===1130甲府駅(解散)
☆行動と感想
〈一日目〉
初めての三泊であったので不備がないようにかなり前から準備をしていたが、初日の朝にCLから二泊三日に短縮するかもしれないといわれた。稜線上に雷が落ちる可能性があるからである。当初の予定では三日目は10時間行動することになっており、3時間程度行程を速めない限り行動中に落雷が起こることになる。天気予報を見て、台風が来るより早く下山できると安堵していたため、雷による予定変更は意外だった。三日目午前までは危険がないため、とりあえず予定通り行動し、その後の情報によって行程を変更するか決めることになった。
下部温泉駅からはタクシーに乗った。運転手さんに奈良田からどこへ行くのかを聞かれたので、当初の目的地であった塩見岳のほうへ行くと答えたが、珍しいのかあまりピンときている感じではなかった。圧倒的に北岳方面に抜ける登山者が多いのだろう。
自家用車なら奈良田まででそこからは徒歩だが、タクシーでは発電所まで行けた。工事現場のおばさんから日焼けを防ぐために長袖を着るように助言されてその通りにしたが、暑くてすぐに袖をまくってしまったので意味がなかった。初日は標高が高くなかったので暑く水をよく飲んだ。
ずっと登りであったが、コースタイムより一時間早く小屋についた。成長したものだと思ったが最初のタクシーによるショートカットがあったため、実際に縮められたのは30分程度である。テントを張れる場所は多かったが早く来たので、水場の横のいい場所をとれた。夕飯はフランスパンとポトフだった。ブロックベーコンを大きめに切ったのでテンションが上がった。下界で食べるポトフとクオリティが変わらないので、これから一泊二日の山行の夕飯はすべてこれでいいではないかと思ったほどであった。食後はトランプで遊んでから寝た。
〈二日目〉
コースの都合上、二日目に先の行程を決める必要があった。選択肢は予定通り塩見岳へ向かうか、一泊縮めるために北岳に登り広河原に降りるか、である。農鳥山荘あたりまでに得た情報で決めることになった。
いずれにせよ、行動時間は10時間になるので朝は早く起きた。朝食は味噌ラーメンだった。鯖缶を入れるというアレンジがなされたが朝3時台のラーメンはつらい。朝食ラーメンは廃止したほうがいいと個人的には思う。
稜線に出るまでは徐々に斜面が急になっていったように感じた。途中でアミノバイタルを持ってきていることを思い出して使った。苦しいのは呼吸であり筋肉的な疲労はなかったが、ないよりはましだろうと思っていた。効果はてきめんで、呼吸を置いてきぼりにして足だけが動くという奇妙な現象が起こった。今後の自分の課題が浮き彫りになった。
稜線に出ると、視界が開けて強い風にさらされた。遠くの富士山まではっきりと見えていたが、富士山の上には雲がかかっていた。やはりこれから天気が荒れるということだったのだろうか。
農鳥岳、西農鳥岳に至る稜線上はあまり起伏がなかったように思う。余裕があったためか、すれ違う登山者とのあいさつ以外の会話も多くなっていた。その中の一人から雷注意報が出ていることを伝えられた。農鳥小屋で行程を決める予定であったが、この時点で間ノ岳から北へ向かい、北岳小屋に宿泊するプランへと変更することになった。ちなみに、この情報の出元は農鳥小屋のおやじさんらしく、小屋でも同じことを言われた。農鳥小屋のおやじさんは変わった人だと聞いていて多少身構えてしまったが、通る登山者皆に情報を与えてくださっていた。
間ノ岳へ向かう途中でメンバーの一人が体調不良を訴えた。農鳥岳から農鳥小屋へは標高をかなり下げたため、間ノ岳へはかなり登る必要があった。途中までは何とか頑張っていたが、次第に厳しくなってきてCLがザックを二つ持って登ることになった。安全に小屋まで行くことも重要であったが、一方でこの日は遅くなると天気が荒れることが予想され、時間との戦いでもあった。間ノ岳を過ぎたあたりからはペースも落ちてきて、休憩時間も長くなってきた。顔色も悪くとても心配したが、ゆっくりでも歩けていたことには助けられた。北岳山荘は早い段階から見えていたが、なかなか近づけない。直線的に降りられたらいいのにと思ったが実際の稜線は西側に大きく回り込んでいて、赤い屋根を望みながら無事につけることを祈った。
間ノ岳から北岳山荘へはコースタイムの1.5倍かかったが無事に到着した。体調の悪いメンバーは食事だけ一緒にして山荘に泊まることになった。夕食はクリームパスタだった。麺の茹で具合はよかったがややクリームがしつこかった。翌日の行程が短くなったので起きる時間を一時間遅らせて、日の出後に行動することになった。
〈三日目〉
山荘で休んだメンバーの体調も回復していたようで安心した。朝食はグラノーラだった。スキムミルクにはちみつを入れるというアイデアは斬新だと思った。
三日目は最初に北岳に登った。意外と難なく登れて、成長を感じた。この日も天気が良く、頂上からは南アルプスの山々や富士山を見ることができた。
北岳に登るとあとは下りだけである。昨年も通った草スベリを下った。登り側からすると急登であり、すれ違うと譲られることも多いため、休みがなくつらかった。それでも割と早く白根御池小屋のテント場が見えてきたので、「意外と...(楽だな)」などと口走ったが、そこからが大変だった。なかなか小屋につかず精神的に疲れた。
小屋で広河原からのバスの時間を調べた。九時半のバスで帰るには急がなくてはならないことが分かった。電波が通じていたのだから、昨日の北岳山荘で調べておけばよかったと後悔した。ペースを上げられて一番困るのは自分なのだからあらかじめ把握しておく必要がある。
ほかのメンバーはペースを上げても難なく下っていたが、自分だけは苦労した。下山の姿勢がおかしいのだろうが原因がよくわからないので下ってから詳しく調べてみようと思った。苦労した甲斐あってバスには間に合った。
今回の山行は結果的に二泊三日と小さくまとまってしまったために、部の成長といった意味での大きな収穫はなかったのかもしれない。しかし、悪天候やメンバーの体調不良といった計画通りに行かない事態に対してどう対処していくか、考えさせられる山行であった。また、自分に関していえば、もし何のトラブルもなく三日目を迎えたところで、10時間行動してもう一泊するだけの体力、精神力があるのかが疑問である。おそらくないだろう。今後部員としてどう活動するかも深く考えさせられた。
間ノ岳から農鳥岳を望む(12:39 撮影者:宮川)
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