◎メンバー
黒川(法2,CL)、中林(法2,SL)、吉川(社2,記録)
◎天気
10/28 曇り
◎コースタイム
9:00鳩ノ巣駅---9:39大根ノ山ノ神9:47---10:07殿上山---10:55鋸尾根Ⅲ峰11:08---11:11鋸尾根Ⅱ峰11:17---11:20鋸尾根Ⅰ峰11:26---11:52川苔山12:09---13:04百尋の滝13:11---13:40川苔山登山口(細倉橋)13:48---14:19川乗橋バス停14:54===15:09奥多摩駅 (5時間20分、12.7km)
◎行動と感想
10月最終週の定期山行として、日帰りで奥多摩の川苔山に登った。当初は奥多摩駅に集合し、バスに乗り継いで登山口へ向かう予定であったが、黒川が乗り換えに失敗して到着が遅れたため、次のバスを待つ時間のロスを考え、鳩ノ巣駅から入山し奥多摩駅方面へ向かうルートをとることにした。さて、この山行中最大の懸念事項というとやはり全国的に多発している熊の出没であった。川苔山では2014年に熊による傷害事件が発生しているし、今年も川苔山が位置する奥多摩町で目撃情報が50件以上報告されている。我々が実際に歩いた登山道にも、熊によるものと思われる引っ搔き傷が残された木があるとYAMAPの山行記録に掲載されていた。熊鈴を3人とも持っていなかったため、吉川が持参した笛を、藪地帯や曲がり角など見通しの悪い地点で適宜吹き、少なくとも熊と至近距離で出くわす事態は避けようと努めた。幸い登山道の大部分は開けて見通しの良い林道であったので、実際に吹いた場面は数回にとどまった。
登山口は鳩ノ巣駅から歩いてすぐの集落の外れにあるはずだったが、看板も何もなく、2週間後に近くで行われる月見の宴の話をしているうちに一度間違った道を進んでしまった。正解は神社の境内にあり、非常に分かりづらかった。奥多摩側から登るのが一般的なルートなので仕方ないのかもしれないが、看板の一つでも立てておいてほしいものである。無事登山口に着くも序盤からなかなかの登りが待ち受けていて、前回の山行から期間が空いてしまった黒川・中林は辛そうにしていたが、適宜休憩を挟みつつコースタイムの7-8割程度の好ペースで大根ノ山ノ神という分岐点に到着した。ここからは尾根を進むルートと沢沿いを進むルートに分かれていたが、前者の方がコースタイムが僅かに短いうえ、9年前の事件も記憶があいまいだったが沢沿いのルートで起きていた気がして不吉だと思い、尾根道を行くことにした。
分岐から1時間弱歩くと、鋸尾根の分岐に差し掛かった。鋸尾根はI〜Ⅲ峰からなり、大きなアップダウンが続く険しいルートである。特に最初に登ったⅢ峰の傾斜は過去登った低山と比べても随一でほぼ岩登りのような感じであり、低山ではなかなか味わえないスリルがあって楽しかった。Ⅱ峰、Ⅰ峰と進むにつれて岩がゴツゴツとして巻き道もあり、正しいルートを見つけるのに苦労した。しかし、Ⅰ峰を超えたあたりで明らかに足場が悪くなり、倒木や肩幅程度の狭い道が多くなってきたため、登山道を外れてしまったと思われた。ただ、大根ノ山ノ神の分岐で分かれた沢沿いのルートとの合流点がⅠ峰を降りてすぐの位置にあり、そのルートを歩いてきた登山者が前方に何人か見えていたので、進むべき方向を間違うことはないだろうと判断し、そのまま慎重に進んだ。幸い過去に我々以外にも同じところに迷い込んだ人がいたようで、その痕跡を辿っていくと危なげなく登山道に合流することができた。多少のリスクはあったかと思うが、他の登山者の姿や合流地点が目視できる状況であったのと、Ⅰ峰の付近は道が険しく、引き返して登山道に這い上がるのも難儀しそうであったため、初めに道を間違えたのは反省しているが、その後の対応は特に問題はなく行えたと感じている。
鋸尾根には全く人がいなかったが、合流地点以後は山頂側から下ってくる人も加わり、混雑していた。山頂の手前の平らになっている場所で一休みしてから、ほどなくして山頂に到着した。山頂には20人くらいの登山客がおり、これまでの登りの静けさとは一変していて驚いたとともに、熊への恐怖心が多少緩和したように思われた。雲が出ていたのもあって、頂上からの展望はお世辞にも良いとは言えなかったが、鋸尾根コースを歩いてきたという達成感と優越感があった。
鳩ノ巣駅へ下りる人が多かったのか、やはり下りも人はほとんどおらず、沢沿いの道なので熊は怖かったが、静かな山行を楽しむことができたのは遅刻した黒川に感謝したいところである。沢の上の橋を何度も渡ったり、時に沢筋を歩くこともあったが、序盤で疲れていた2人も歩き慣れてきたのか、かなり速いペースで降りて行った。しかしずっと沢沿いを来たのもあって、一度沢を離れて登りに転じるような地点で、沢の方へ誤って降りていこうとしてしまった。幸い近くで休憩していたグループに声をかけていただき、ギリギリで難を免れたが、沢を降りてしまい引き返せなくなる遭難事例は多いと聞くので、登りのときの道迷いと比べても相当危ないところであった。山行も後半に差し掛かってちょうど気が抜けてくる時間帯であったと思う。最後まで気を抜かず、慎重に地図を見て進むべきであるという教訓を得た。ほどなくして、奥多摩の名瀑、百尋ノ滝に到着した。落差は40mもあるそうで、滝つぼの近くまで行くと迫力がものすごく、マイナスイオンを全身に浴びているようでとても爽快だった。周りの地形も急峻な岩壁で囲まれているようなかたちで、荒々しい地形が好きな者にとっては垂涎の光景であろう。そこから30分ほど歩くと、細倉橋登山口に着き、これ以降は舗装された車道となる。その登山口で休憩していたところ、今度は荷物を川につながる水路のような場所に落としてしまった。幸い水路の水量は僅かで、落差も3m弱くらいであったので、なんとか下に降りて拾い上げることができた。またしても気を抜いた矢先の不注意である。
熊出没情報、道間違いなどのハプニングがありながらも全員無事に山行を終えられたのはひとまずよかった。道間違いに関しては、分かりづらい場所であったとはいえこまめに地図を確認していれば防げたので、以後少しでも怪しいと思ったら地図を見る習慣をつけたい。また、大部分が見通しの良い場所であったものの熊がいないか無意識に見回したりして気を張っていたので疲れてしまったのもあると思う。はやく冬眠してほしい。川苔山に関しては、岩あり滝あり紅葉ありと今まで行った低山のなかでは非常に満足感があるほうであったので、奥多摩の山はパッとしない印象であったがいい意味で裏切られた。
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