○メンバー
有田(社3年)、内海(法2年)、大矢(法2年)、羽二生(経?2年)、曲(社2年)
○天気 快晴
○コースタイム 7時間45分
08:45藤野駅から出発→09:15一の尾根登山口着→09:30~09:40休憩→10:45陣馬山山頂→11:05出発→11:55~12:15昼食→13:25市道山山頂→14:25~14:35休憩→14:50臼杵山頂→15:05下山→16:30麓→16:46荷田子バス停にて乗車
天気に恵まれた新学期初の山行。個人的には8月の富士山以来二ヶ月ぶりの山行だった。夏休み明けの憂鬱はまだ晴れず、たまに見かけた紅葉になりかけた葉っぱは秋が深まるのを感じさせる。秋の登山シーズンに入り、藤野駅が登山者で込んでいた。駅を出て少し歩いたら前方に隧道が現れた。幽深な隧道を通り抜けると、景観が一気に変わり、奥多摩の豊富な自然を目にした。平坦な道が続き、時折橋を渡り、清澄な川が流れているのが見えた。30分間ほどかけて一の尾根登山口に到着し、登山口付近にはたくさんの登山者が集まっていた。ここからいざ、本格的な山登りが始まる。
木漏れ日の心地よい登山道だった。秋とはいえ、天気があまりにも良すぎて少し登るとだんだん暑くなってきた。休憩をとりながら1.5時間をかけて陣馬山(857m)に到着。山頂には既に大勢の登山者が集まっていた。茶屋や売店、ベンチが多く設置されており、展望台にのぼると視野が広くなり見晴らしがとてもよかった。われわれは欄干にもたれて、遠くにある群山を眺めていた。仲秋の空気が澄んでいて、連綿と続く山々に囲まれた富士山が遥かに見えた。10月の初め、富士山はまだ初冠雪しておらず、群青色の薄い輪郭が空の果てに浮かんでいる。陣馬山のシンボルである白馬の像が展望台の真ん中に厳然とそびえ立っていて、天色の天穹を背景とし、太陽に美
しく映えていた。20分間ほど山頂にとどまり、集合写真をとってもらった後われわれは目立たない小径に沿って市道山へ向かっていく。
市道山(795.1m)に着くまでの道はアップダウンが激しく、予想外に辛かった。景色が全く見えず、ただひたすら登ったり下ったりしていた。12時頃に比較的に広いところで昼食をとってまた前進を始める。途中に向こうからやってきた登山者のおじいさんが「この先崩れやすいから気をつけて」と注意してくれた。少し歩いたら本当に危ないところがあって、ありがたかった。
山道は終わりがないようだった。15時頃、コースタイムに参照してそろそろ山頂だろうと思ったところ、山頂っぽいとこが前方に現れた。みんな今度こそ山頂でありますように祈っていて、そして臼杵山(842.1m)の標識が見えた瞬間、ようやくほっとして歓声を上げてしまった。下山道の入り口の近くに「半泣き坂」と書いてある路標が立っており、確かにわれわれのその時の心境にぴったりな名前だった。しばらく休憩をとって、狭い下山道に入り下り始める。狭くて急な道だった。おまけに陰湿のため、土が濡れていて非常に滑りやすかった。下りはほぼ走っていたので、予定よりも早く麓に着き、16時46分のバスに間に合った。
今回の山行は気楽に山を楽しむつもりだったが、実際はアップダウンが非常に多く、なかなかハードな体験だった。しかしハードな割に感嘆に値する絶景と出会うことができなかった。景色の変わらぬ林道の中で地面を見つめながらただひたすら歩く。何のために登っているかと、急に意味を失ってしまうように感じる瞬間もあった。山はいつも楽しいというわけでもないことを知った。
(社会学部2年 曲文深)