高尾山トレーニング山行(2018/11/10)


 

☆天気

 

晴のち曇

 

 

 

☆コースタイム

 

高尾駅0705----蛇滝口0750----(搬送訓練)----0930高尾山駅----(搬送訓練)-----------1030高尾山口駅着

 

 

 

 

 

☆行動と感想

 

 朝7時に高尾駅から歩き出した一行。今思えば今回の山行を「山行」と呼ぶのかどうか怪しいところではあるが、この高尾駅からスタート地点までのウォーキングは個人的にはこの山行の中でも長く、地味に堪えるものであったと思う。

 

 談笑しながらだんだんと住宅街を抜け、山道に入るにつれて山行らしさが出たと感じていたが、その頃にはもうすでに高尾にしてやられていたとは誰一人思いもしなかっただろう。

 

 というのも、本来予定されていたスタート地点の日影バス停に行く手前の分岐で、勢い余って南へ向かう道を進んでしまっていたのである。なぜこのようなことになったのか今となってはよくわからない。ただ、コンパスと地図を扱い、かつそのための意識を常に働かせておくことが不可欠だと体で学んだと考えれば安いものなのかもしれない。これが高尾山ではなく、もっと高度のある変化に富んだ山であればどうなっていたことかわからない。この出来事はある意味訓練としての要素の一つをなしていたのかもしれない。

 

 分岐でのルートミスに気づいた後は、方針を転換し、高尾山の頂上を踏まず、あくまで訓練に徹することとなった。あくまでこれはトレーニングなのであり、頂上を目指すことに重きは置いていないのである。登山研修の参加した先輩の指導のもと、早速二つのザックを空にし、搬送用ザックの作り方を教わった。

 

 そうしてできた搬送用ザックを使って搬送訓練が始まる。足首を負傷したチームメイトの搬送、という設定がなされた。搬送者と傷病人役がセットで、先頭にルート確保役が一人、搬送者に随伴する人が左右と後ろに一人ずつ、一番後ろにダブルザック係が一人と後ろで休む一人の8人体制で進んだ。5分交代でローテーションしつつ、北東へ向かう分岐から上り坂を進んだ。自分は体重差の少ない同期を運ぶこととなったが、それでも背中に背負う瞬間などは、周りの支えがあってもかなりぐらつき、傾斜のあるところではかなり危ない思いをした。今回は十分な人数がおり、なおかつ傷病人役もある程度搬送者役の人が支えられる程度の人が割り当てられたのでなんとか背負いつづけることができたが、実際には誰が怪我するかなど選ぶことは当然できず、人数が少なければ体重差の大きな人を運ばざるを得なくなるかもしれない。その時のことを想像すると、そもそも怪我が起こらないよう細心の注意を払って山行に臨むしかないように思う。

 

 結局進んだ分岐から元に戻り、頂上は踏まずにロープウェイの高尾山駅から、観光客が大挙する参道コースをはたから見ればおんぶにしか見えない搬送訓練をしながら下山した。これは搬送訓練、あくまでも訓練、どれだけ心に言い聞かせても襲い来る疲労と突き刺さる観光客の痛々しい視線。当時は高尾山ハイだったのかなんなのか、なんとも思ってないつもりだったが、今思えばあんなに恥ずかしいことはない。自分は乳幼児以外におんぶされている大人など見たことがないこと、書いているいまそれに気がついた。

 

 山行の記録としては高尾山口駅に着いた時点で終了となるが、部室に戻った後もツェルト設営の練習や、普段の山行で持ち歩いているものの紹介が上級生からなされるなど、下級生としては為になる時間だった。こうして日が暮れる前に有意義なトレーニングの一日が幕を閉じた。