天城山(19/2/3)


 

☆天気

 

晴れ、但し風強し

 

 

 

☆コースタイム

 

1000伊東駅1010===1105天城高原ゴルフコース1120---1132四辻---1210万二郎岳1220---1230馬の背---1247石楠立---1312万三郎岳1335---1400涸沢分岐---1505四辻1515---1530天城高原ゴルフコース1610===1705伊東駅(解散)

 

 

 

☆行動と感想

 

この山行は山岳部とワンダーフォーゲル部の親睦を深めることを目的として企画されたものである。両部共に普段から登山を行っているが、その中身や志向する方向性の違いもあり、意識的に友好関係を築くことが出来ているとは言い難い。両部の活発な交流、そして更なる発展への足掛かりとしても捉えられ得る山行であった。

 

当日の行動について詳述する前に、計画立案の難しさについて記しておきたい。今回はLINEで計画のやり取りを行ったが、やはり違う部活の人と連絡を取り合い計画を立ててゆくということは時間を要する。同じ部の人であれば部会等で直接会って話すことが出来るが、今回はそのような機会が無く、全てをLINEで行った。そこにおける齟齬や連絡の遅滞は、山行自体に大いに影響を与える。普段の感覚で計画を立てることは控え、余裕を持って且つ隅々まで説明すべきだと、自身が計画を作成する中で強く感じた。

 

天城山には2つのコースがあり、天城峠へと抜ける縦走コースと、周回するシャクナゲコースというものがある。前者は全長17kmにわたる歩きごたえのあるコースであるが、とにかく行動時間が長い。対して後者は前者に比べれば易しいハイキングコースであり、時間もそれほど掛からない。今回我々は、各自が自宅からでも間に合うコースということで、後者を選択した。下山後に多少天気が崩れてきたため、結果論ではあるがこの選択は正しかったであろう。

 

自宅を6時半に出発した。これは1限に出るよりも遅く、登山にしてはゆったりとした朝であった。そこから3時間半は電車の旅である。休日の朝であったためそれほど車内は混んでいなかったが、平日であれば丁度通勤ラッシュの時間帯であり、登る前に疲れてしまっていたであろう。伊東駅には10時に到着し、ワンゲル部員と顔を合わせる。そこからは約1時間のバス旅である。バスには我々以外に誰一人として他の客が居なかったが、夏山シーズンには満員になることもあるという。そのあたりの時期は避けた方が賢明であると思われる。

 

積雪は一定量あり、天城高原ゴルフコースバス停付近から既に5cm程度は積もっていた。今回は自分が先頭を歩くこととなったが、その経験は初めてであり、しかも雪で登山道が不明瞭であった。とにかく注意をしなければ、と感じた。緊張しつつも歩みを進める。四辻まではそれほど雪を気にせずに歩いたが、万二郎岳への登りから本格的に雪が姿を現し始める。昨年5月の雪渓訓練で教授された技術を思い出しながら登る。万三郎岳までの区間は赤テープだけでなく黄色と水色の標識が数多く設けられており、雪道のルートファインディングをする上でかなり助けられた。四辻から40分程度で万二郎岳に到着。多くの登山者の記録を読むと、山頂は樹林帯であり眺望は悪いと書かれているが、個人的にはそれほど悪い訳でも無いと感じた。身を屈めて木々の隙間から見れば、青い空、駿河湾、そして富士山。空と海と山とが一体となった景色は格別であった。

 

馬の背という名のコルを通過し、万三郎岳の登りに入る。かなりの急登であり、積雪も万二郎岳付近よりは増している感じを受けた。足を滑らせないように、とゆっくり登ったつもりであったが、いかんせん慣れない雪山であり、かなり疲労を感じた。予定よりも20分早く万三郎岳に到着。ここからはただ下るだけであるが、積雪量と滑落の危険性とを鑑みて軽アイゼンを装着した。いざ下ってみると、やはりアイゼンがあるのと無いのとでは大違いである。アイゼンに全幅の信頼を置くのは危険であるが、多少は心持ちが楽になる。アイゼンは物理的に危険を減らすだけでなく、精神的な面でも良い影響を与えるのであろうか。

 

涸沢分岐通過後に地面が見えてきたためアイゼンを外したが、これが裏目に出た。それ以降の道は再び積雪量が増えており、登山靴が埋まるのではないか、という箇所もあった。そのような中で適切な道を探すという作業は、雪山に不慣れな自分にとってかなり厳しいものであった。何回か道を見失い、また幾度も足を滑らせた。この辺りの登山道は急斜面を迂回する形を取っているため、足を滑らせれば一気に滑落する、ということも考えられる。雪が無い時期であっても注意して通行せねばならないであろうし、まして積雪期は言わずもがなである。アイゼンを着けるぐらいの時間はあったけれども、着けなかった。この判断自体は些細なものであったかもしれないが、その結果はどう転ぶか判らない。自身の技量を踏まえてより安全な策を取るべきであった。

 

その後ひたすら歩き続け、何とか天城高原ゴルフコースに戻って来た。風が吹き荒ぶ中、ワンゲル部員と装備について話しながらバスを待ち、伊東駅で解散した。

 

 

 

山行では毎回、何かしら得るものがあると考えるが、今回ほど多くのことを経験することが出来た山行は無いかもしれない。先頭としてのペース調節や雪山の歩行、アイゼンを着脱するタイミング等、様々なことを考える機会があった。雪山関連については今年の夏合宿でも必要な事柄であろうし、ペース調節についてはこれから上級生となって1年生を率いてゆく場、特に新歓山行で重要である。これからの山行で生かされるべき、貴重な経験であった。また、ワンゲル部員とは普段の登山の内容について話をすることが出来た。雪山や登攀を行っていない自身にとって、様々なスタイルで自然を楽しむ彼らの活動内容を聞くことは非常に興味深かった。来年度は山岳部でも沢登りが始まる予定であるが、そのような楽しみ方が出来れば、更に世界が広がる、そんなことも考えた山行であった。

 

最後となってしまったが、今回の山行に同行して下さったワンダーフォーゲル部の皆さんに感謝したい。本当に有難うございました。

 

万三郎岳頂上(2/3 13:15 撮影=内山)