御岳山・日の出山訓練山行①(19/12/8)


☆天気

12/8:快晴

 

☆コースタイム

12/8:国立駅0452===0612古里駅0615---0630大塚山登山口---(ベアリング実習)---0820大塚山---0845武蔵御嶽神社---0855長尾平(ツェルト設営・装備確認)1035---(搬送訓練)---1210日の出山1255---1350日の出山ハイキングコース入口---1410つるつる温泉バス停1439---1500武蔵五日市駅(解散)

 

☆行動と感想

去年に引き続き、今年も日帰りのトレーニング山行を実施した。本山行の主な意義は、地図読み等の技術的訓練を実地で行うことと危急時対応を学ぶこと、この2つにあると言える。前者に関しては、普段の山行で意識的に実践出来ているとは言い難いが、身につけておかねばならないスキルである。後者に関しても、万一の場合に備えて対処法を知っておく必要は大いにある。

今年は去年と異なり、高尾山ではなく御岳山で山行を実施した。理由としては、台風19号の影響により高尾山周辺で甚大な被害が出ていることが挙げられる。御岳山周辺はそれほどまでに被害を被っている訳では無いようだが、所々でその爪痕を垣間見ることが出来た。この点については後述する。

 

部室に前泊して古里駅に集合。アプローチが短い分、電車で寝ることはほぼ出来ない。眠い目をこすりながら、まだ暗い奥多摩の道を歩く。大塚山登山口は家々の中にありながら、獣害対策用の物々しい鉄条網を擁している。その後、度々鉄条網やネットを見かけることになるが、奥多摩における獣害の深刻さを物語るものであるように思われた。大塚山までは事前に作成したベアリング表とコンパスを用いて、ベアリングの実践演習である。しかし、ベアリング表やコンパスを忘れてきてしまう部員が散見された。訓練山行の意義が無くなってしまうので注意をしたい。登山道は明瞭であり、進むべき方向は容易にわかる。だが、あくまでもベアリングに徹し、進路を見定めるようにした。実際に進む方向とコンパスの指し示す方向が同じで、何と言う訳ではないが少し感心した。やってみると案外楽しいものである。

傾斜が緩むと、尾根上に出る。木々の合間からではあるが、朝日に照らされる山々を眺めることが出来、気持ち良かった。

 

2時間ほどで大塚山に到着。先日の甲武信ヶ岳徳ちゃん新道に比べれば何のきつさも無い。改めてあの道を作った徳ちゃんに対する複雑な感情が湧いて来た。もう少し道の傾斜を緩くして欲しい。

少し歩くと御師集落に出る。御岳山は、今年の新歓で訪れて以来。1年生とこうして登ることが出来ているのも、新歓あってこそのものなのだと感慨に耽っていた。しかしよくよく思い返せば、1年生のうち2人は、駅を間違えて不参加になってしまった2人なのであった。しかしあればかりはこちらの連絡不足である。来年の新歓でも気を付けたい。

長尾平で休憩を取り、ツェルト設営と装備確認を行う。ツェルトは、木を用いる場合と、トレッキングポールを用いる場合とを想定して設営した。前者については木々の間隔が密であり、少々張りにくかった。後者の方が広々とスペースを取ることが出来る。入ってみるとそこそこには暖かい。沢登りではツェルトを用いて宿泊するため、その良いイメージトレーニングになった。

装備確認では、普段の定期山行で持ってきている装備を各々で紹介しあう。部員の拘りが垣間見えて面白い。某同期は山行にcrafteaを持参し、毎回マウントを取ってくる。crafteaが美味しいのは認めるが、ケチな自分にとって、いかんせん410mlでは容量が少ない。やはり、同じ値段で2lの天然水が一番である。結局全ての飲料は、突き詰めれば、ただの水に収斂してゆくのだ。そしてその水こそが至高である。

 

いよいよ搬送訓練が始まる。1つのザックを空にして搬送用とし、もう1つのザックを半分ほど空け、別のザックに乗せてダブルザックを行う。先頭1人・搬送者1人・被搬送者1人・搬送補助2人・ダブルザック1人・最後尾1人という区分で、5分程度のローテーションとした。

当日は御岳山周辺でトレイルランニングの大会が開催されており、それに配慮しながらの搬送訓練であったことを書き添えておく。御師集落の道は舗装路であるが、急坂であり、そこを下る際には転倒しないように注意した。武蔵御嶽神社の横を通って日の出山へ向かう。去年の高尾と比べて登山客は少なく、彼らの目線を気にする必要はほぼ無い。しかも心優しい人ばかりで、我々を見るや否や「大丈夫?」と本気で心配して下さる。その方々の優しさに感謝しながら、「訓練です」という4文字で小笑いを取ることを繰り返す。道幅は一般的な登山道のそれと同じくらいなので、搬送者を左右から補助することに難儀した。十分に幅を取って補助しようと思うと滑落しかねないような道幅であった。本物の怪我人を出しては本末転倒であるが、補助がいないとまたこれも危険であるため、よくわからない体勢で補助を行う羽目になった。お陰でこの記録を作成している今も体が痛い。体が痛いのは元々?それは禁句…

コースタイム40分のところを1時間半かけて、登山客で溢れる日の出山に到着。澄んだ空気の中、遠く都心のビル群や東京スカイツリーを眺めることが出来た。山頂では地図とコンパスを用いて、山座同定と現在地の確認を行う。改めてコンパスの有能さに感心した。

計画書では下山時も搬送訓練を行う予定であったが、所々急坂があり、また台風19号の影響で崩落している箇所が見受けられたため、途中で搬送を中止して普段通りに下山することとした。荷物も軽く感じられ、軽々と下山した。

 

このトレーニング山行は、普段の山行で中々実践出来ていない技術の確認という面で非常に有益であると考える。逆に言えば、定期山行では技術面が等閑視されている、と言えるかもしれない。登ることで精一杯なのだろう。だが、それも当然のことであると思う。と言うのも、他大の山岳部のように以前から山をやっており体力的に申し分無い、という人ばかりを集めることは、当部にとって難しいと考えるからである。個人的な意見で恐縮だが、当部の良いところは、登山経験の無い人を歓迎しており、自分の意思に応じた自由な活動を行うことが出来るところにあると思っている。従って、個人的には今後もそのスタンスを維持したいと考えるし、元々体力があるか否かではなく、部活に入ってから体力をどうつけてゆくかが重要なのだと考える。だからこそ、ゆっくりとでも構わないから、先ずは普段の活動の中で十分な体力を錬成せねばならない。今回確認したような技術は何よりも、体力あってこそのものだと思うのである。

日の出山から都心方面を望む(12/8 12:13 撮影=内山
日の出山から都心方面を望む(12/8 12:13 撮影=内山
長尾平にてツェルト設営(12/8 9:29 撮影=内山)
長尾平にてツェルト設営(12/8 9:29 撮影=内山)