土沢一ノ沢(23/11/19)

◎メンバー

半澤(CL・装備、社4),田村(SL・記録、社2)

 

◎天気

11/19 晴れ

 

◎コースタイム

明神峠0916---(ロープワーク講習など)---一ノ沢1045---1343三国峠1345---1359鉄砲木ノ頭1407---1449明神峠---1701駿河小山駅(18.3km、7時間45分)

 

◎行動と感想

 11月1日の部会において半澤さんから沢登りのお誘いをいただき、私自身にとって初めての沢体験となった。それまでの私は沢登りに関して積極的な興味こそ抱いていなかったものの、来年の夏合宿の計画を朧げに思い描くなかで、沢登りを含めた長期縦走に憧れを持っていたことや、来春卒業の半澤さんがいらっしゃるうちに、できる限り多くの技術を習得しておきたいという思いがあり、11月中旬という肌寒い季節の中での沢歩きを敢行した。沢登りは、通常の一般登山道とは異なるバリエーションルートでの山行となるため、事前にOBの方々にも計画書を送付していたが、各位よりアドバイスを含め、懇切丁寧にご返信いただいた。

 駿河小山駅で半澤さんと合流し、明神峠行きのバスに乗り込んだ。座席が全てちょうど埋まるくらいで、思いのほか賑わっていると感じた。私の隣に座った老父は、私たちがこの寒さの中これから沢に入渓することを聞いてとても驚いた様子であった。明神峠に到着し、多くの登山者が富士箱根トレイルの縦走路へと進むのを横目に、私たちはゲートの脇を抜けて一ノ沢に向かって舗装路を降りていった。一ノ沢に到着し、まずは沿岸でハーネスを装着し、セルフビレイ、懸垂下降のやり方など、基本的なロープクライミングの講習をしていただいた。右も左もわからない私に一から教えるというのは大変に骨の折れることだったと思うが、半澤さんは終始とても優しく教えてくださった。恐れ多いことに、初めて聞く内容ばかりで忘れてしまいそうなことも多々あったため、この記録を書いている今現在も、再度自分で復習しなければならないと反省している次第である。一通りの講習を終え、一ノ沢に入渓した。水量は私が想像していた量よりは少なく、最も深いところでも膝下程度であった。サワーシューズに徐々に溜まっていく水が足裏に絡んで、少し違和感を感じた。半澤さんの軽快な足取りを追いかけていくことで精一杯だったが、ふとしたタイミングで現れる日向での、水面の乱反射がとても綺麗だと感じられた。何度か深くなっている部分を「へつり」ながら、(この日半澤さんに教わった中で最もお気に入りの用語である)、また何度かロープを用いながら斜面を上りつつ、最後の2段7mの滝に到達した。まず半澤さんがフリークライミングで上まで登り、支点を確保することになった。傾斜が急であったことに加えて、岩が剥がれやすく脆い様子で、下で待っている私もかなり緊張して見届けた。無事危なげなく登り切った半澤さんであったが、支点となる丈夫な木が少なかったため、滝上をまたぐような形でいったんロープを折り返し、私からみて左方の斜面の木に支点をとった。半澤さんは後の部会でこの支点の取り方があまり良くなかったと反省に挙げていたが、今回のような想定外の状況でどのように対応していくかという点で、とても勉強になった。次いで、私も半澤さんの支点確保のおかげで無事に登り切ることができ、脱渓して三国峠へと直登した。靴を履き替えた後、鉄砲木ノ頭まで寄り道した。山中湖と富士山がとても綺麗に見えて満足した。普段の私であればそれほど有名ではないピークなら巻いてしまうことも多々あるが、このように壮観な光景を見てピークハントもいいものだと改めて思い知った。駿河小山駅から明神峠までのバスは往路のみの運行であるため、帰りはひたすら車道歩きである。山の話、ゼミの話、過去の思い出話など、3時間近くずっと話しながら歩いていた。お互い公立出身で、どことなく共通する感覚を持っていた部分もあり、とても楽しく有意義な時間であった。来年以降、沢の技術を同輩・後輩たちに伝えていけるようになるくらいまで、もっと学んでいきたいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

半澤さんを追いかけて一ノ沢遡行中(11/19 11:00 撮影:田村)